
趣味と私
キャンピングと私
自然に囲まれてリフレッシュ!
カナダみずほコーポレート銀行 桜井俊郎

もっとも非日常的でストレスからも遠い自然に身を置くキャンピングの醍醐味とは?
◇◇◇
夕暮れ時、食後のコーヒーを飲み終えて、炉に薪をくべる。涼しい風が渡り、間もなく日は山裾に落ちる。今日は湖でカヌーを楽しんだ。明日のハイクトレイルは長く、一寸つらいかもしれない。ビーバーに出会えると良いのだけれど。
満天の星を仰いだ後で寝袋に包まるテントの中は、蛙やふくろうの合唱、雷鳥のドラミングの音で満たされる。夜中、ふと目覚めるとルーンの唄が湖の上を響き渡っている・・・
と、まあ、夢のようなことを書きましたが、5月に出かけたアルゴンキンパーク北部のキャンプ場では本当にこんな感じでした。準備や後片付け、行き帰りの長距離ドライブの煩わしさを乗り越えて、わざわざキャンピングに出かけるのはなぜか。自問自答の結果は、時には豊かな自然の中に身を置きたいから、としか出ません。敢えて言えば、都会で暮らす私達にとって、最も非日常的でストレスからも遠い環境が自然、だからなのかもしれません。
ボーイスカウトに入っていたので、小学生の時以来キャンピングには随分出かけました。30年近く前、テントは木綿でごわごわ、大きく重く、又雨の中薪に火がつかないでご飯を食べそびれたこともありました。でも仲間達との森の中での合宿は格別でした。
社会人になって足が遠のきましたが、10年ほど前にシンガポールから帰国した頃、丁度日本はキャンプブーム。2人の娘達も小学校に上がるかどうかという年頃で、家内もアウトドア嫌いではなかったので、私達もファミリーキャンピングを始めることにしました。用具も少しずつ揃えました。テント、炊事用ガスストーブ、ランプ。子供の頃贅沢で手が出なかったものが、性能も格段に上がって、値段も手頃に、簡単に手に入るようになっていたので驚きました。
5年前、ニューヨークへの転勤が決まった時、本場北米でのキャンピングにトライしない手はないと、用具一式を持ち込みました。ニューヨーク州南部のキャッツキルパーク、北部のアディロンダック・パークのキャンプ場は予想に違わず、素晴らしいの一言でした。
一昨年の夏、アディロンダック山中のロッジを基点に一家全員で州最高峰マウントマーシーに登頂したのも良い思い出です(家内はこれで力尽き、翌日のアルゴンキンピーク・アタック隊は私と娘2人で構成されました)。アディロンダックで初めてアメリカ黒熊を目撃し、夜明けに霧の中から現れたルーンの幻想的な唄声に魅了されました。因みにオンタリオ州では馴染み深いルーンですが、ニューヨーク州では本当に珍しい鳥なのです。
そして昨年秋にトロントへ転勤。カナダはアメリカより更に自然が豊か、と漠然とイメージはしていましたが、ロイヤルオンタリオ博物館で、アルゴンキンパークにはトロントから北へ車でたった3時間、季節を選べばムース、ルーン、ビーバーを必ず目にでき、狼の遠吠えも聞ける、と教えて貰った時には、自然の近さ、濃さに胸が高まりました。3月、待ちきれずに訪ねた広大なパークでは、早朝雪の上に見付けた足跡を目で追っていくと、何と遠くに狼そのものがいて、向こうもこちらを眺めているではありませんか。これは大変ラッキーなことだそうで、先行きの良いスタートになりました。
5月半ば、パーク内北部のキャンプ場に出かけたときの経験がこの文の冒頭です。オンタリオ州やケベック州には他にも素晴らしいアウトドアが沢山あるのでしょうが、動植物、鳥、湖の豊かさと、近さにおいてアルゴンキンはトロントのアウトドア好きには大きな存在のようです。8月にはアルゴンキンの南部のキャンプ場で、ウルフハウリング(狼の遠吠えを聞く会)に参加しようと思っています。テントの中で聞くルーンの声も楽しみです。
娘達も大きくなり、段々スケジュールを合わせ難くなってきましたが、今後も機会を作ってキャンピングなど、アウトドアで自然を楽しみたいと思っています。
皆様も如何ですか?トロントに住んで豊かな自然を楽しまない手はないと思います。キャンプ場は私が好む素朴なものから至れり尽くせりのものまで各種、素晴らしいものがありますし、利用者のマナーもまずまず。用具はカナディアンタイア店などでお手頃に手に入ります。アルゴンキンパークに数箇所店を構えるアウトフィッターではキャンプ用具やカヌーのレンタルが可能です。初めは炊事用具は日用品の代用で、など、とにかく気楽に始めるのが良いように思います。
テントに拘る必要もなく、ロッジやコテージに滞在しても動物や鳥、植物ウォチング、ハイキング、カヌー、フィッシング、クッキングなどお好みにあわせてアウトドアの楽しみ方は様々です。リフレッシュすること、請け負います。
≪著者プロフィール≫
桜井俊郎
1984年入行。勤務地は東京、シンガポール、東京、ニューヨーク、トロントと何時の間にやら海外勤務期間のほうが長くなってしまいました。
家族は家内と娘2人で、9月から10年生と7年生です。補習校にお世話になっています。 |
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