広報委員のひとりごと


冷静さと勇気でSARSに立ち向かったトロント市民に拍手!

トロント日本商工会 広報部長
DENSO Manufacturing Canada Inc. 長尾 健

世界同時多発テロや炭疽菌、イラク戦争と同様に、いや身近な出来事としてはそれ以上に世界中の人々を恐怖に陥れてきたSARS(重症急性呼吸器症候群)は当地トロントでも多くの犠牲者を出してきましたが、7月2日にようやくWHOの「SARS感染地域」指定が解除され、最後まで残っていた台湾も7月5日に指定が解除されました。3月12日にベトナム、ハノイの病院で最初の院内感染が報告されてから約4カ月でようやくWHOは「SARSの発生を世界規模で封じ込めることが出来た」としてSARSの終息宣言を出しました。  

これまでに 全世界30カ国・地域でSARSによる死者813名、感染者8,437名が報告されました。カナダでは死者38名、感染者250名が発生しその内死者は全員、感染者は98%以上にあたる246名がオンタリオ州のトロント周辺に集中し、まさに中国、香港、台湾以外では世界中でトロントだけが感染地域という状況でした。  

当初はいろいろな情報や噂が錯綜(さくそう)し 誇張された情報がオンエアされる不安な状況の中で、トロントは世界でも北京・香港・台北に次いでSARSが猛威を振るった地域であったにもかかわらず、市民はパニックに陥る事もなく冷静に事態を受け入れそれぞれの持ち場で出来うる対策を施しながら平常通りの生活を続けたことに感心させられました。  

またトロントの医療関係者も非常に困難な状況の中で、自らの生活や生命までも犠牲にしてSARSの治療や防疫対策に奔走し、確実にSARSを食い止めたことに対してはただただ感謝の気持ちで一杯です。  

トロントに観光客やビジネス客を呼び戻そうといろいろなイベントや試みがなされてきましたが、中でもアヴリル・ラヴィーンやトラジカリー・ヒップ等のカナダの有名ミュージシャンが勢ぞろいして6月21日にスカイドームとエアカナダセンターの2会場で行なわれた「コンサート・フォー・トロント」は7万人を超える爆発的な熱狂の渦でトロントを包み 市民の沈滞ムードを完全に吹き飛ばしてしまいました。  

困難な事態に立ち向かったトロント市民の冷静さと勇気にエールを贈りたいと思います。  

We love Toronto !!

 

≪著者プロフィール≫
長尾 健  
海外駐在も通算で13年になろうとしています。広報委員の仕事は正しい日本語を思い出す良い刺激になっています。

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