カナダ生活の思い出

アメリカの田舎町で観たロックコンサート

カナダ郵船航空サービス(株) 畠中 了


筆者。ルイビルで。

 

世界的に有名なミュージシャンのコンサートを日本より気軽に楽しめるのも、北アメリカ生活についてくるボーナス。アメリカの田舎町で「ついで」に行ったコンサートが、一生の中で最も思い出に残ったという、20代駐在員の感動の記録。

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この国に赴任してはや9カ月が過ぎようとしている。思い出は数え切れず、興味深く刺激的な毎日を送らせていただいている。その中でも今年の6月に行ったロックバンド、シカゴのコンサートは一生の中で最も思い出に残るものとなった。ケンタッキー州ルイビルという人口30万人ほどの田舎町で開かれた観衆2千人足らずのコンサートだ。

シカゴは60年代から活躍している長寿ロックバンドで、数々のヒット曲をもつ、アメリカを代表するバンドだ。最初の全盛期は70年代。ロックバンドとしてホーンセクションを取り入れた斬新な編成で活躍したが、80年代前半はメンバーの死亡、脱退等で一時解散の危機に陥いる。そこでメンバー、プロデューサーの交代と新しい才能を導入し、メローなバラードバンドとして変身を遂げ、新たな時代を築いた。しかし、90年代以降はレコード会社とのトラブルもあり、オリジナル曲の新作はほとんど発表しておらず、全盛期は過ぎたかと思われた。

今回まで2回ほど来日公演に行ったことがあった。憧れの彼らを目の当たりにしてそれなりに満足をしていたが新曲をどんどん披露するわけでもなく、珍しい曲を演奏するわけでもなくオールドファンの懐メロという感もあった。

今回はルイビルに赴任している元上司に顔を見せに行くのが目的で、ついでにシカゴが来るので見に行こうと思ったのが正直なところ。実はコンサートの内容に関してはあまり期待していなかった。しかしふたを開けてびっくり。いきなりここ十何年もライブでやったことがない曲から始まり、定番の曲からどよめきが起こるような珍しい曲まで披露してくれた。

またステージの中心を陣取り活き活きと演奏をする50歳を超すオリジナルメンバーと、それをサポートする途中加入の若手のメンバーがうまく融合して非常に目新しい感覚のステージを繰り広げてくれた。今までとは気合がちがった。

1時間30分ほどのあっという間の夢のひと時を終えて、高揚感を抑えながら期待を遥かに超えるコンサートを披露してくれた彼らに対する感謝の気持ちが込み上げてきた。

今年還暦を迎えたミック・ジャガー率いるローリング・ストーンズ然り、時代の積み重ねを音に乗せられる一流たちは、厚みのある感動を与えてくれる。様々な危機と苦悩を乗り越え、結成35年を向かえシカゴは、新たなサクセスストーリーを作るべく一歩を踏み出しているようだった。コンサートの素晴らしさのみならず新しい幕開けへの期待感を持たせてくれた。

ロックは何を与えてくれるかいつも予測不能です。近くでお気に入りのバンドのコンサートがある時は足を運んでみてはどうでしょうか。何か良いことがあるかもしれません。

 

≪著者プロフィール≫
畠中 了(はたけなか りょう)
1977年1月18日愛媛県生まれ。血液型はB型。1999年学習院大学経済学部卒業、郵船航空サービス(株)入社。2002年11月長期研修員としてカナダ・トロントに赴任。武道一家に生まれ5歳より剣道を始める。高校時代剣道部に所属する傍らロック・ポップスに憧れバンド活動を始める。

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