広報委員のひとりごと


文化を反映する地下鉄車内

トロント日本商工会広報委員
株式会社 損害保険ジャパン 角田 光史


トロント周辺では、通勤手段として車を利用する人が多いなか、小生は毎日地下鉄を利用している。満員になれば、無理に乗り込もうとする人はあまりなく、人と人の間の空間は保たれている。朝はコーヒーとマフィンを手に取り、朝食を楽しむ人、夕方にはハンバーガーを頬張る人なども少なくない。しかし、食べ物をぼろぼろこぼす人がいたり、読み終えた新聞もあちこちに散乱している。

先月、私用で日本に一時帰国し、久し振りに東京の地下鉄に乗車した。背広やビジネスウェアを着ている人が目立ち、きちっとした身なりの人が実に多い。黙々と携帯に見入る人や悠々と寝ている人が多い反面、車内で飲食する人はまずいない。しかし、混雑時に車内の奥から何も言わずに人を押しのけて降りる人も珍しくない。

以前ニューヨークに駐在していた頃も毎日地下鉄を利用していたが、車内で飲食をする人は見かけなかった。見たとしても浮浪者か、あまり身なりの良くない人であった。混雑時にはトロント同様、ドアが開くたびに「Excuse me」という言葉がよく耳に入る。しかし、常に緊張感が漂っており、人々の表情は固い。また東京ほどではないにしろ、ラッシュ時は車内で動く余裕はあまりない。

この3都市の良い点だけを兼ね備えた地下鉄が理想ではあるが、そうも言ってはいられない。所変われば人も生活習慣も変わり、どの都市の地下鉄が良いか悪いとかと言うよりは、素直に異なった文化を地下鉄車内という空間で感じ続けていたい。

 

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