広報委員のひとりごと


トロント日本商工会広報部長
Fuji Graphic Systems Canada Inc. 森 敏明


2003年8月14日は私にとっては忘れられないトロントへの着任日となりました。

ドイツ、デュッセルドルフの駐在から戻って16年振りの海外勤務、仕事内容も新しいチャレンジとなる予定でした。

と、ここまで書くと単に個人的な日と思われるでしょう。でもご記憶でしょうか?あのブラックアウトの日です。ピアソン空港に着いたのが14時ごろ、ホテルにチェックインして荷物を整理しているときに「ドスン!!」16時半ごろと記憶しています。

はじめはホテル内の工事程度とばかり思っていたのですが、なかなか回復せず。業を煮やして階下へ。ここは16階。エレベーターもありません。非常階段を使っての階下行きでした。なんと北米東北部全域と知り愕然! でも広域だけに回復も早かろうと・・・。甘かったですね。トイレも使えず、洗面も出来ず・・・。幸い地上階のプール脇の水道は使えましたので、16階分の階段の往復を何度か・・・疲れました。

「ああ、幸先悪いなあ!カナダでの生活、どんなになるのかなあ?」と一人嘆くこと暫し。そのうちに、時差も手伝ってうとうとと眠りへ・・・。

「でも待てよ、俺って意外とついていたのかも?もし到着が3時間遅かったらもっと路頭に迷っていただろう。どのみち時差で眠るだけなのだから真っ暗でも良かったではないか。まだまだ捨てたものではないな!」と目が覚めたのが朝の7時でした。何事もポジティブに捉えるのが俺の取り得!物も考えようだ、と気持ちを新たにしての翌朝の初出勤となりました。しかし出勤はしたものの会社も停電、機能せず、初日からお休みとなりました。「これはもっとついている!」と・・・。

翌15日の街中は大停電にもかかわらず、きわめて冷静なのに驚かされました。ボランティアの人が信号機となり、運転も皆が慎重に。同じような停電が東京で起きたならどうなっただろうか?もっとパニックになっていたでしょう。カナダ人の整然とした対応に思わず敬意を表した次第です。そんな思いと自分のツキ(?)も重ね合わせて、カナダがいっぺんに好きになりました。

そして、否が応でもリスクマネジメントの大事さを痛感せずにいられない着任日でした(翌週は政府機関がお休みで着任直後の諸手続きがまったく進まず困りました、という後日談つきですが)。

 

≪著者プロフィール≫
森 敏明
入社以来30年技術畑を歩いてきたが、突如海外販売会社の責任者に・・・。そんな事務系業務未経験者が突如トロント商工会の広報委員長にも!! 色々なことがおき、いろいろな新しい経験を積み重ねて、この歳になってもまだまだ勉強が続くなあ、と思いながら自分がおかれている環境に感謝している筆者です。  

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