カタカナの弊害


旅行の場面で・・・


ART WORDS 広瀬 直子


日本で普通に使っているカタカナ語を英語だと思い込み、使ってみたら通じなかった経験はありませんか。英語らしく聞こえても、ネイティブにはおかしく聞こえるカタカナ語は数え切れないほどありますが、このシリーズではテーマ別に日本人がカタカナに引きずられて犯しがちなミスを見ていきます。英語上級者でもちょっとした「カタカナミス」を犯すことはあります。あなたは大丈夫でしょうか?

◇◇◇

今回は、カナダを旅行中の日本人夫婦の会話を見てみましょう。

妻:  えっと・・・。この電車のプラットホームは何番かしら。ちょっと聞いてみるわね。(そこらへんを歩くカナダ人に) "Excuse me, which plat home does this train leave from?" 
カナダ人: Pardon me? 
妻:  We are looking for our plat home. 
カナダ人: You mean "platform"?


<回答>
日本語ではなぜか「プラットホーム」とカタカナ化されていますが、英語は「platform」。「プラットフォーム」の方が近い発音です。
 



さて、夫婦はプラットホームに何とか着き、電車のダイヤを探します。

夫:  ダイヤはあるのかな・・・。「ダイヤ」って英語で何て言うの? 
妻:  まさかdiamond じゃないよね。 


<回答>
もちろん、diamondではありません。列車などのスケジュールを示す「ダイヤ」は「diagram」の略ですが、現在北米では「diagram」には「図」という意味しかありません。「Where can we see the train schedule?」と聞きましょう。ただし、カナダの電車の駅では、日本ほどダイヤ表示が充実していませんので、事前にインターネットや電話などで確認を。
 



目的地に到着した夫婦は電車の駅でレンタカーを借りるべくオフィスへ行きます。

夫:  We'd like to rent a rent-a-car. 
店員: (ちょっと不思議そうに)OK, you'd like to rent a car…. Which type? 


<回答>
「レンタカー」はしいて言えばrent-a-car。しかし、借用車そのものを指すときは、「rental car」(発音が似ていますが)といいます。「rent a rent-a-car」は、「車を借りる借りる」と言っているようなものです。「We'd like to rent a car」または「we'd like to get a rental car」が自然でしょう。(もちろん、レンタカーの事務所にいるというコンテクストから目的はわかり切っているので、実際は"standard car, please"などで十分でしょう。)



さて、カナダ横断列車の旅を終えた夫婦は、カナダ人の友人に送ってもらって空港に着きました。

カナダ人:  Have a nice trip! 
夫:  Thank you. It is going to be a long trip. I am looking forward to stewardesses' service. 


<回答>
航空会社の客席乗務員を指して「stewardess、steward」は、北米英語では死語となりつつあります。「奉公人」の意味があるため、公平性を考慮して「flight attendant」と呼ぶのが普通です。日本でも最近は、「スチュワーデス」ではなく「客席乗務員」が一般化しています。
 



カタカナ語に引きずられないようちょっと気をつけると、あなたの英語がずっと「スマート」になるはずです。

(ご存知のように、smartは普通「頭がいい」の意味で使われます。日本で言う「スマート」は、「cool, refined, sophisticated」というところでしょうか)
 


≪著者プロフィール≫
広瀬直子  
フリーランスの編集者・ライター・翻訳者。過去約7年間『とりりあむ』の編集を担当させていただいております。

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