広報委員のひとりごと


"出戻り"編集者をよろしくお願いいたします



三藤 あゆみ


長い間「とりりあむ」編集担当をされていた広瀬直子氏に代わり、今月号から編集のお手伝いさせていただくことになりました。じつは商工会広報が「会報」というタイトルで印刷されていた頃、編集担当をしていたことがあり、7年前に広瀬さんに後を引き継いでもらい、今回再び戻ってきたという次第です。過去7年のあいだに会報のタイトルも変わり、すっきりしたやさしいデザインのウエブサイトに変身しており、まるで"出戻り"娘の実家が、しばらくいないうちにモダン新築に変わっていた、みたいな感じです・・・。読者の皆さま、編集委員の方、これからどうぞよろしくお願いいたします。

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トロントに移住して以来17年間、ライターとメディア翻訳・通訳の仕事を続けてきました。近年は映像プロダクションのロケ撮影の現場通訳やビデオ・テレビ字幕翻訳を専門にしています。

最近、カナダのテレビ・映画業界で働く人々の間で、たいへんな日本ブームが起きています。ネタを調査したり企画したりするプロデューサー、ジャーナリスト、そしてアニメーション製作に携わる人は以前から日本の社会、経済、CG技術などに興味がありました。しかし最近は、カメラマン、サウンド技師、エディターなど、今まであまり日本に接する機会がなかった人のあいだでも「日本へのロケ撮影旅行は最高に"クール"」ということになっているようです。

どうやらこれは昨年から日本を舞台とするハリウッド映画のヒットが続いたのが大きな原因のひとつらしい。そう、トム・クルーズ演じる「ラストサムライ」、タランティーノ監督の「キル・ビル」、コッポラ監督の娘ソフィア氏が撮った「ロスト・イン・トランスレーション」などです。

トロントからテレビの撮影隊が日本へ行くのに同伴すると、カナダ人スタッフのはしゃぎようが前にもましてすごいのがわかります。皆、仕事がオフの時に映画で見たシーンと似たようなことが体験できないかという期待でいっぱい。

たとえば、ご覧になった方もいると思いますが「ロスト・イン・トランスレーション」は、主人公のハリウッド男優がサントリーウィスキーのCMに出演するために東京へ行くという設定。この映画が公開された後に同行した日本ロケでは、どのスタッフからも共通の熱烈リクエストがありました:「サントリーウィスキーが飲みたい」。わざわざコンビニからボトルで買ってきて、「東京のホテルでこうやってサントリーを飲むのがクールなんだ」といいつつ、記念写真をとるわけです。

アクション映画「キル・ビル」を見た人の場合、ちょっと迫力ある顔の男性が黒っぽいスーツに身を包み、イッパイやっているのを居酒屋などで見かけるたびに、小声で「あの人はヤクザの組長?気づかれないように写真とれる?」。

思わず笑ってしまいますが、同時にハリウッド映画が描く日本と日本人像が北米の人々に与える影響の大きさを考えると少しフクザツな気持ちになります。日本発信のオリエンタリズムが入り過ぎないコンテンツが、もっともっと国際的に広まってほしい、などと思ったり。

しかし、商品を映画などに登場させてコマーシャルをする"タイアップ"広告が国境を超えて、これほど効果を発揮するとは・・・。

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≪著者プロフィール≫
三藤あゆみ
フリーランスライター/翻訳家、映像プロダクション通訳。日本の高校卒業後イギリスへ渡り、後にトロントに移住。埼玉県生まれ。

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