カタカナの弊害



フリーランスライター 三藤あゆみ


日本で普通に使っているカタカナ語を英語だと思い込み、使ってみたら通じなかった経験はありませんか。英語らしく聞こえても、ネイティブにはおかしく聞こえるカタカナ語は数え切れないほどありますが、このシリーズではテーマ別に日本人がカタカナに引きずられて犯しがちなミスを見ていきます。英語上級者でもちょっとした「カタカナミス」を犯すことはあります。あなたは大丈夫でしょうか?

◇◇◇

さて、青字のカタカナのうち、どれが和製英語でしょうか?

ショッピングモールに出かけたAさんと奥さんの会話です。

「引越しがもう来週にせまっているけど、リビングルームコンセント取り替えなくちゃいけないから今日買っておいたら?」
「取り付けるのにドライバーも買わないとな。マイナスドライバープラスも揃えておこうか」
「工具箱みたいなのが車の中にあったじゃない?」
「いや、あれはスパナのセットだよ」
フローリングの部屋に新しいベッドも入れなきゃ。あなたがハードウエアの店に行ってる間に家具のコーナー見てこようかな。今まではワンルームマンションで狭かったけど、これからはお客さんにも泊まってもらえるしね」
「ベッドは別の日にしてくれよ」
「わかったわよ。じゃあ、私はスポーツウエア屋さんに行ってあなたのトレーナー買っておくわ」
「カナダのフリーサイズだと大きいからMサイズにしといてくれよ。あと、あったかそうなハイソックスも何足か頼むよ」

<答え>
コンセント Outlet
ドライバー Screwdriver
マイナスドライバー Slotted screwdriver (Standard, Regular, Flat tipなども)
プラスドライバー Phillips screwdriver
フローリング Wooden floor/ Hard wood floor
コーナー Section
ワンルームマンション Studio apartment/ Bachelor condominium
スパナ Wrench
トレーナー Sweatshirt
フリーサイズ One size (fits all)
Mサイズ Medium size
ハイソックス Knee high socks

車のパーツや野球用語も和製英語が多いですが、工具やファッション関係の言葉もなかなかまぎらわしいですね。


和製英語は混乱をまねくということで、近年は日本語に翻訳しにくいコンピューターやテクノロジー関係の言葉は、英語をそのままカタカナにしてしまうケースが増えてきました。しかしこれもまた、日本語で言いやすいように発音が変えらたり、読み間違えて翻訳されることがあるものですから、「限りなく英語に近いがやっぱりヘンなカタカナ語」が生まれてしまいます。最近,日本で普及している、おかしなカタカナ語を少しあげてみましょう。

デービッドカードまたはデビッドカード
David card?? 英語ではDebit cardですね。政府の書類にまで「デビッドカード」という単語が使われています。

エレクトリックコマース

感電しそう!電子商取引は、エレクトロニックコマース、Electronic commerce。

ディスクトップ
Desktop。コンピューター上にはちゃんとデスクトップとカタカナで出てくるのに、それでも「ディスク」となっている印刷・出版物が多い。

マウスパット
Mouse padですよね。パットは軽く叩くという意味です。なんだかかわいい・・・。MousePattoという感じで英語ではかなりおかしく聞こえます。

シュミレーション
これは辞書では修正されましたが、すっかり普及してしまっています。カタカナにするならシミュレーションSimulationです。

(カナダの歌手を)フューチャーする
これは単なる勘違いで、そのままカタカナ語が普及してしまったのでしょう。フューチャーは未来とか将来。特集する、目玉にするという単語はFeatureフィーチャーです。

ユビキタス
すっかり日本語に化けてしまった単語のひとつ。そこらじゅうにある、遍在する、などという意味ですが、Ubiquitousユビークィトスが英語に近い発音です。

英語に限りなく近いだけに気がつかないまま使っている日本人もけっこういるので、要注意です(その場の状況や文脈で通じることはありますが)。英語上級者や英語圏に長く住んでいる方からは「本当かな−」という声があがりそうですが、試しにネット検索をしてみてください。何千件も何万件もこんなカタカナ語がでてきます。
 


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