教員日本研修プログラム 帰国報告会




フリーランスライター 三藤あゆみ


8月30日、商工会事務局にて、2005年度の教員日本研修プログラム(IEJ: International Educators to Japan)に参加したオンタリオ州の先生方2人による報告会を行い、日本での体験・感想をうかがいました。


今年は合計50人が参加、6月28日から7月13日までの2週間、東京、京都、奈良、愛知を訪ね、学校訪問、デモ授業の実施、ホームステイ、工場見学、史跡見学や愛知万博視察など盛りだくさんの内容でした。


参加した先生方

Mrs. Mary Lynn Clegg
Intermediate Division Lead Teacher
Denne Public School (ヨーク地区)  

 
Mr. Kent David Sherrard
Intermediate Division Lead Instructor
Scarborough Village Public School (トロント)  
 



短期間で幅広く日本を体験、興味深いホームステイ

SHERRARD:研修旅行は全てがスムースにいき、わずか2週間でかなり多くのことを学んで帰ってきました。自分では日本について少しは知識があると思っていましたが、実際行ってみると知らなかったことがたくさん。学校、日本の文化、歴史、宗教、テクノロジーなど幅広く触れることができました。

CLEGG:参加者は全部で50人もいましたが全体によくまとまった研修で、日本について貴重な情報や知識をたくさん得ました。付き添ってくれたガイドもすばらしかった。

SHERRARD:とても影響をうけました。

司会:盛りだくさんのプログラムでしたが、忙しすぎませんでしたか?

CLEGG:もっと時間がほしいとか疲れたという人もいましたが、私自身は気になりませんでした。京都では時間が少なかったので忙しかったし疲れた日もありますが、短期間にこれだけのことを体験できるなら、それぐらいは当然・・・。

SHERRARD:私も全く平気でしたよ。

CLEGG:事前にいただいた情報パッケージのおかけで、自由行動の日も有意義に過ごせました。地下鉄やレストランの情報もあって役に立ちました。

SHERRARD:私たちのグループは情報など準備万端だったので、他国から参加した先生方が驚いていました。 一番おもしろかったのはホームステイ。2回あったわけですが、違う家族構成の家庭でそれぞれの日常生活を体験させてもらうことができました。最初のステイ先は子供が3人いる若いご夫婦、2回目は70歳ぐらいのご夫婦で94歳になるお母さんと一緒に住んでいました。アジアでも老齢化社会が問題になっているので、高年齢者ばかりの家族は興味深かった。私が滞在した家庭ではうまくケアしていると思いました。それから、その家のおじいさんは海外経験がありトロントにも3回ぐらい来たことがあるそうで、英語がよく通じました。

CLEGG:私のステイ先は、1回目はご夫婦ふたりきりの静かな家庭。英語は分からない方だったので、英語とフランス語を話せる娘さんが、食事の時間に訪ねてきてくれてコミュニケーションを手伝ってくれました。もう1カ所はご両親と子供2人。子供といっても29歳と26歳で、友達がたくさん訪ねてきたり電話もたくさんかかってきてにぎやかな家庭でした。違うタイプの家庭に滞在できておもしろかったです。

司会:ちょっと恥ずかしかった、というような体験はしましたか?

CLEGG:靴!(笑)

SHERRARD:そう、スリッパがすごく小さくて。私が履くと、足の先のほうしか入らない・・・。それに学校で出してくれたスリッパが派手なピンク色のスリッパだった(笑)。

CLEGG:スリッパの写真、撮ってきました。

SHERRARD:でも、特に恥をかいたという場面はなかったです。

CLEGG:皆が親切でしたから。たとえば、自由行動の日に道に迷い、通りがかりのおじいさんに助けてもらった。最初、私たちのためにタクシーを捕まえてくれようとしたのですが、お金がかかるし歩いて戻るといったら、その方、80歳なのに40分もかかる道のりを一緒に歩いて案内してくださったんです。「また迷うと心配だから」と。東京でも、方向がわからなくなったとき通りがかりの女性が声をかけてくれて、同じ職場の人に5回も電話して聞いてくれた。英語が分かっても分からなくても皆親切でした。

司会:初日のオリエンテーションと教育セミナーはいかがでしたか?

CLEGG:参加者どうし知り合えるチャンスがプログラムの最初にあったのはよかった。日本の教育システムのレクチャーも学校訪問の時役立だったし、簡単な日本語講座も実用的でした。

アカデミックな勉強の場だけではない日本の学校に感心

司会:学校訪問をしてみて、オンタリオ州との違いなど印象に残ったことはありますか?

CLEGG:どの学校でも私たちを大歓迎してくれて、まるでスター扱いだった(笑)。

SHERRARD:日本の学校では、給食の準備など生徒が責任を持ってすることがたくさんあるというのが大きな違い。そして感心したのは、北米と比較して美術、音楽、体育に力を入れていることです。こちらではアカデミックな学習ばかりに重点をおいているので、そういう科目は予算削減の一番の対象になってしまいます。

CLEGG:美術などの教育にも力を入れているというのは、校内に生徒の作品が展示してあることからもわかりました。すばらしいことだと思います。

SHERRARD:それから、先生と生徒が一緒に給食を食べるのを見て、いいなと思いました。私も参加しましたが、生徒と一緒にランチを食べたのは初めての経験。授業以外の場で生徒と教師の触れ合う機会が毎日あるので、より深い絆ができるのではないでしょうか。カナダでも真似したいことのひとつ。私も教室でランチを食べてみようと思います。

CLEGG:給食の時間はリラックスして先生と生徒が気さくに話せるよい機会ですね。私も日本語会話ブックを片手に子供たちと話ました。お互いにいろいろ質問しあったりして楽しかったです。

SHERRARD:給食のシステムは生徒の健康のためにもいい。北米の学校は子供たちの食事や栄養についてはあまりケアしていません。スナックやお菓子類を食べることが多いし。

CLEGG:近年は栄養のバランスがとれた食事について学校が指導するところもでてきましたけど、勧めるだけですから。

CLEGG:東京都内、斑鳩、豊橋の学校を訪ねたわけですが、豊橋の学校は他と違った雰囲気でした。静かで小さな学校。

SHERRARD:違うタイプの学校を選んでもらったのはよかった。

司会:デモ授業をしてみて、どうでしたか?

SHERRARD:1つ目のクラスは生徒が熱心に参加して盛り上がりましたが、次のクラスは消極的で盛り上げるのがたいへんでした。デモ授業は内容を自分で用意できるのがいいですね。

CLEGG:教育にたずさわる者としては素晴らしい機会です。日本人の先生方も見学に来たり、子供たちとも直接交流できてたいへんよかった。

司会:生徒の感想をまとめた資料では、「英語が分かった」と答えた生徒は高校生や中学生より小学生のほうが多いという結果がでています。おもしろいですね。

SHERRARD:生徒にとってどんな体験だったのか知りたいので興味ある資料です。私が最初に訪問した学校は、授業が終わってから先生方と報告しあったり、教育の問題点などいろいろ話し合う時間を設けてくれました。お互いに勉強になったと思います。日本の先生方も熱心に質問してきたので、私たちからも何か学ぼうとしているのがよくわかりました。

CLEGG:後から先生どうしが話し合う機会を設けると、より勉強になりますね。

司会:帰国子女の生徒に会う機会はありましたか?

SHERRARD:私が授業をしたクラスにはいなかったと思います。帰国子女はどのぐらいの期間、日本を離れているのですか?

司会:だいたい3年から5年です。

CLEGG:私のクラスには2人いました。今回、自分が日本で2週間過ごして、言葉が全く違う国に住むということの難しさやフラストレーションも身をもって理解できました。英語が話せずにカナダに来る子供たち、どんな事情で来るかにかかわらず、本当にたいへんだと思います。これからもっとそういう状況の生徒に注意を払っていこうと思います。

司会:研修プログラムに対するご意見や提案などありますか?

CLEGG:学校訪問でデモ授業をする前の待ち時間に、担当の日本人の先生について回り、仕事の様子やクラスを見学できたらいいですね。

SHERRARD:賛成です。学校で使用している教科書も見てみたい。それから、私はホームステイをもう1日のばせたらいいなと思いました。

司会:本日は、お忙しいなか集まっていただいてありがとうございました。これからも毎年オンタリオ州の先生方を日本へ招待していきます。来年参加する先生方に、今回の体験や情報などをぜひ伝えてください。

SHERRARD:出発前、過去に参加した先生からいろいろな話しを聞かせてもらったので、私たちもこれから協力できることがあればぜひ。

CLEGG:この研修旅行に参加できる人は幸せです。私も何かお手伝いできることがあれば喜んで。

(報告会内容要約)

 
 

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