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中国伝統医学を学ぶ

東京海上日動火災 後藤 順子


私が中国伝統医学の勉強を始めてから5年になります。フルタイムの保険会社の仕事もしながらなので、卒業まで約8年かかりますが、主な単位はすでに終了したので、必要があれば自宅で治療もしています。

中国医学に関心を持ったのは、私の経歴が薬学で、日本ではイギリス系の製薬会社でMRとして働いていたので、常に健康や医療には関心があったこともあります。しかし、直接のきっかけは、10年位前に、ひどい眩暈で苦しみ、いろんな検査を受けても原因が分からず、藁をも掴む気持ちでチャイナタウンに行き、漢方薬局で出してもらった生薬で随分楽になったという体験です。以前は苦くて飲めなかった漢方薬も困れば苦もなく飲める自分に驚きました。そして、いつかチャンスがあれば勉強して自分や家族の健康上の問題を解決したいと思いトロント中国伝統医学校に2000年に入学しました。

私達の学校では、弁証法の理論、鍼灸、生薬学、按摩、栄養学、気功、内科、婦人科、小児科、皮膚科学等や、西洋医学の基礎である解剖学や生理学の講義、そしてインターンシップの臨床実習が800時間あり、合計2850時間分の単位を修了し、卒業試験に合格すると卒業できます。卒業するとUSAのNCCOAの受験資格または、カナダのBC州やケベックやアルバータ州の中医の受験資格が得られます。オンタリオ州はまだ法令化されていませんので、開業の為の法律的な規制はありません。

病気とは気が病になると書きますが、中国伝統医学は正に気の流れを正常にすることが治療目的です。気は電気や空気と同じ様に肉眼では見みえませんが、全ての生物を動かしている根源的なエネルギーのことで、この源は宇宙にあると考えられています。私達の体の中には十二本の経絡があり、ここに気が絶え間なく流れ五臓六腑の内臓を縦横に結んでいます。まさに、経絡がハイウエイで五臓六腑は街、途中の給油所がつまりツボです。ツボは外気から気を体に補給したり、悪い気を出したりして、体の表面に規則的に点在しています。

私達の体は、恒常性を保つ為に常に車のアクセルとブレーキのような機能が働いています。たとえば食事をすれば、すい臓からインシュリンが出て、血糖値を下げる働きをしますし、お腹が減ってくると、血糖値を上げるためにグルカゴンが出て、血糖値を上げて一定に保とうとしますが、中国医学でも同じように、陰と陽が一対で体のバランスを取っていると考えます。陰はブレーキで陽はアルセルです。また副交感神経と交感神経の関係とも似ています。心身ともに健康で楽しく暮らすには、気の流れをよくして、陰と陽のバランスを保つ事が大切です。

だれも死を逃れる事はできませんが、上手なメンテナンスで良い状態を長く保持することは十分可能です。老化とは気の流れが遅滞したり、気が減少したりして、補給の絶たれた街が疲弊していくような状態をいいます。定期的な運動や食事に気をつけることや禁煙などは、もちろん健康を保つ基本ですが、「気の乱れは気持ちの乱れから」とも言いわれ、イライラや不平不満や嫉妬など、心の乱れが気の乱れを起こします。一方、いつも感謝する心や他人や動物や環境の為に無償で奉仕する心など、自分が自分を好きになれるような事を進んでするが気持ちが、体の気の改善にも役立ちます。特に女性は気の乱れが女性ホルモンの乱れとなって、女性特有の症状が出やすいので気をつけましょう。

中国医学では未病を治すことが、病気を治すことより大切とされています。病気になってからでも症状を改善はできますが、未病の段階で治療したほうが、ずっと痛みも少なく早く治せるからです。自覚症状が出て検査で結果がでるには、すでに気の異常が体に定着して、治すのが困難になってしまっているからです。中国医学では、自覚症状が出る前に、脈や舌や匂いや皮膚の色その他、細かく診ることで異常を診断します。幸運にも、未病が見つかったらすばやく、中医に鍼灸、マッサージ、漢方薬、食事療法等もっとも自分に合う方法で治療してもらいましょう。何でも相談できる中医ホームドクターを一人作っておくと便利です。

私の場合、2年間、学校の先生に毎週鍼をしてもらっています。おかげで体調も気分も良く、毎年の健康診断では、ホームドクターから「どうしたらあなたのように健康でいられるの?」と質問される事もあります。家庭でも、夫の病気やペットの怪我や病気も治していますので、時間とお金のセーブにもなり助かっています。

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