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こんな時には・・・カナダ暮らし実用情報 トロントの治安状況と安全対策 広報委員 川井 修
一般的にカナダはアメリカと比べ犯罪発生率が低く、カナダの主要都市であるトロントでも幸いにも犯罪件数は減少傾向にありますが、今年の春頃から銃による殺傷事件が市内各所で多発しています。今回は、トロントで発生している犯罪の傾向および事例を紹介するとともに基本的な対処法についてご紹介させて頂きます。
1.多発する発砲事件 2000年現在でカナダには約230万人の銃器保有者がいると推定されており、毎年1千人を超える人が銃により死亡しています。1996年の銃によるカナダの死亡者数は1,131人でうち、自殺815人、殺人156人、操作事故45人となっています。この銃による死亡者数は近年、減少傾向にありましたが、今年の春頃からトロント市内では発砲事件が目立つようになりました。トロントで起きた発砲事件による死亡者数は、ここ数年20人強だったのが、2005年に入ってから、70件の殺人事件のうち48件が銃によるものです。 最近の発砲事件の特徴 (1)若年層の犯罪組織(ギャング)同士の抗争にかかわるものだけでなく、一般市民を巻き込むケースも少なくない。 (2)比較的深夜の人通りの少ない場所で発生するケースが多かったが、人通りの多い商店街や運行中のバスの中でも発生しており、流れ弾による死傷者が出ているケースも少なくない。 (3)発生場所はこれまで特定の地域に集中していたが、市内全域に拡大。銃所持者が若齢化している(48件の銃による死傷者のうち40人が30歳以下)。 遭遇した場合の対応 警察当局は、凶器を伴う脅しに遭遇した場合には、最悪の事態を防ぐため、犯人の要求に応えること、犯人の体型などの身体的特徴を詳細に記憶し、事件発生後速やかに警察に通報するよう呼びかけています。 トロントの犯罪等の統計資料→ http://www.torontopolice.on.ca/publications/ 2.パスポート紛失事例から見る安全対策 在トロント総領事館でパスポート紛失による再発給件数(渡航書を含む)は、年間50〜70件程度であり、このうちの50%以上が置き引き、駐車中の自動車内からの盗難、スリおよび空き巣、ひったくりといった盗難によるものです。被害は6月から10月の夏休旅行から秋にかけての時期に集中して発生する傾向が見られ、当地事情の不案内な観光客が特に狙われるケースが多く見うけられます。 【具体的な事例とその対策】 (1)置き引き: レストラン・バーでの飲食中、公衆電話で通話中、空港(荷物のターン・テーブル)、ホテル・チェックアウト時に発生するケースが多い。空港やホテルでは常に自分の荷物から目を離さない。見知らぬ人に声をかけられたりした場合にも、荷物への注意をゆるめない。また、荷物を放置したままその場を離れない。ホテルのチェックイン・アウト時の際には、手荷物をカウンターの上に置くなどする。レストランでは、グループの場合に互いの荷物を注意しあう。特にビュッフェ(バイキング)形式の場合、貴重品等は席に置いたままにしない。 (2)うっかり紛失・置き忘れ: 航空機内、空港、タクシー、学校、地下鉄やコンビニエンス・ストアーのコピー機(旅券のコピーを取った後置き忘れる)といったケースが多い。パスポートや多額の現金等はできるだけ持ち歩かない。交通機関を利用して荷物を置き忘れた場合、見つかって戻ってくることは非常に稀な上、見つかったとしても時間がかかるため、特に注意する。乗り物から降りる際には、忘れ物が無いか確認する余裕を持つ。 (3)駐車中の盗難: レストラン等の駐車場、引越し時の一時駐車中に発生するケースが多い。少しでも車を離れる際には、全てドアをロックする。貴重品は車内に置かないのはもちろんのこと、できるだけ車内に物を置きっぱなしにしない。駐車する場所をよく考慮する。 (4)ひったくり、スリ: 路上、ショッピング・センター、フードコートや飲食店など様々なケースがある。その具体的事例とそれらの共通点および防止対策は概ね次のようになっています。 どんなケースが起きているのか・・・・ ●手持ちの小物入れを、後ろから(横から)突き当たってきた犯人に奪われた。あわてている間に犯人は逃走し、見失った。 ●フードコートで、バッグを椅子の背にかけて食事をしていると、突然近づいてきた犯人がバッグを取って逃げた。あわてて追いかけたが人ごみに紛れ見失った。 ●ファースト・フード店で、同行者がトイレにいっている間、席でうとうとしている間に、椅子に置いておいたバッグを持ち去られた。 ●街を歩いていて景観に気をとられていると、人がぶつかってきた。その人が持っていたハンバーガーのケチャップが上着に着き、その人は恐縮して上着を脱がせ、近くのトイレに洗いに行った。ついて行こうとすると、その人の連れが話しかけてきて手間取った。あわててトイレに入ると、人影もなく上着もなかった。 ●道で数人に囲まれ、背中に何かを突きつけられて、金を出せと脅された。大声を出すと彼らは逃げた。 ●有名ブランドのバッグを持って一人で歩行中、道に迷い地図を見ているところへ後ろからきた自転車に乗った犯人にバッグをひったくられた。追いかけたが見失った。 ●ショッピング・カートの幼児用椅子にバッグを置いて、棚から品物を抜き出している間に、近寄ってきた犯人がバッグを取り逃走。急いで追いかけたが見失った。 ●道端に止まった車で何かをしていた人から修理を手伝って欲しいといわれ、手を貸している(例えば、修理のためにタイヤなどの重いものを持ち上げるように頼まれる)間に、脇においた小物入れから中身をすりとられた。 ●ゴルフ場で、カートにおいた小物入れをそのままにしてパット練習をして戻ると、小物入れが無くなっていた。 ●ATMでお金を引き出し、お金を数えながら機械を離れようとした瞬間、横からぶつかってきた犯人にお金をひったくられた。 以上列挙した事例を見ていると、次の共通点がある。 ●一人歩き、周囲に人がいない、周囲との連絡を絶たれている。 ●人ごみの中なので、犯人を追いかけない。また、被害にあった際に騒がずに自分で追いかけて見失っている。 ●犯人は被害者の注意をそらすために不自然な接触をしてきている。 ●持ち物を放置するなど、注意がそれている瞬間がある。 ●土地に不案内であること、金や貴金属を持っていることを犯人に知らせている。 こうした被害に遭わないようにするためには・・・・ ●とられやすいところに物を置かいたり、放置したりしない。また、貴重品はなるべく持ち歩かない。 ●街を歩くときには、できれば複数で歩き、人通りの少ないところでの一人歩きは避ける。 ●被害に遭った時には、日本語でもよいので大声で騒ぐ。 ●周囲の状況への注意を怠らず、人や自転車に突き当てられないよう心がける。 ●用心深くなりすぎてキョロキョロしたりしていると、逆に犯人に狙われたり、怪我をしたりすることがあるので、堂々とした態度で行動した方がよい。 盗難等にあった場合の基本的な対処法 ●危害を加えられないよう、バッグや現金などは加害者に渡す(特に、銃や刃物などの凶器で脅された場合) ●大声で叫ぶ(加害者が驚き、その場から逃げるチャンスを作る。周囲の人に助けを求める) ●加害者をよく観察しておく(身長、体重、肌の色、髪の色や形、ひとみの色、刺青などの特徴、スタイル、服装や靴などの特徴) ●事件の発生をすぐ警察(911)に報告する(911では、日本語を含む各国の言語に通訳を介し対応可能) ●ケガをしたら医者に見てもらう ●バンクカード、クレジットカード、免許証およびパスポート等の盗まれたものを、関係する機関へ報告する。 3. 賃貸家屋に関する事件 ここ最近、邦人被害者が発生している事例としては、アパートのサブレット(又貸し)に関する詐欺事件があります。これらの多くは、書面によらない口頭での契約で前金を支払い、貸主が行方をくらますか、貸主が賃借料を家主に支払わず、借主が家主から退去を求められ、貸主の行方がわからず借主が途方にくれるというケースです。また、一つの物件に対し、複数の人から前金を集めるというケースも発生しています。詐欺の場合、加害者が身元を明確にしないままにことが運ばれることが多く、また、巧妙に親切に見せかけたりするものも少なくありません。 こうしたトラブルに巻き込まれないためには・・・ 相手の身元を確認(運転免許証等)し、約束事や金銭のやり取りは文書で行い証拠を残すことは最低限行う必要があります。また、正規の不動産業者を通じて行うことをお勧めします。 |