Born In Canada ―カナダの有名企業



ドミニオン・アンド・グリム社


JETRO 中村 和生


カナダの春の風物詩として、メープル樹液の採取やメープル・シロップ作りがあげられます。トロントではマーチ・ブレイクの頃ともなると、メープル樹液の採取とメープル・シロップ作りを体験するために、多くの家族が採取場を見学に訪れます。最低気温が零度以下、最高気温が零度以上となるシーズンで、メープルの樹液が採取できるベスト・シーズンです。

採取場に行くと、メープルの木々に採取口付きのバケツや採取のためのチューブが取り付けられています。メープルの樹液はシュガーハウス(メープルの樹液を煮詰め、メープル・シロップを作る小屋)に集められ、そこでメープル・シロップが作られていきます。それらのメープル・シロップは、色や香りによって3つのカテゴリーと5つのグレードに分けられ、ビンや缶に詰められて、私たちの市場に届くことになります。

カナダは世界の85%以上のメープル・シロップ製品を生産する国ですが、メープル・シロップ作りの全工程を支えるカナダ企業があります。それが、ドミニオン・アンド・グリム社です。

メープル・シロップ作りに欠かせない初期の蒸発器/濃縮器は、1884年、オハイオ州のG.H.グリム社が開発しました。G.H.グリム社は、1890年、オハイオ州からバーモント州に拠点を移し、それから5年後(1895年)、同家に所縁のあるグリム兄弟が、モントリオールのマギル通りの小さな工場でメープル・シロップ製造器の生産を始めました。グリム兄弟は50年にわたって事業を続けますが、その後、事業をドミニオン蒸発器社に売り渡すことになります。ドミニオン・アンド・グリム社の誕生です。

ドミニオン・アンド・グリム社は、メープル樹液の採取のための採取口、採取用バケツ、採取用チューブの販売から、メープル・シロップ製造のための蒸発器/濃縮器、そして、メープル・シロップ用のビンや缶の販売を手がけています。

カナダのメープル・シロップの生産量は1990年に1万8466トンでしたが、2004年には3万5248トンとなり、15年間で約2倍の生産量となりました。ドミニオン・アンド・グリム社は、世界の85%以上を生産するカナダのメープル・シロップ産業を影で支えているカナダ企業なのです。


参考ページ

http://www.domgrimm.com/angl/frame_2.html
http://www.ontariomaplesyrup.com/time_line.html
http://www.agr.gc.ca/cb/index_e.php?s1=n&s2=2005&page=n50909a




≪著者プロフィール≫
中村和生
日本貿易振興会(ジェトロ)勤務。カナダに来て約1年。カナダ企業への対日ビジネス支援を行っています。日本における拠点設立、対日ビジネスへ興味のある企業がございましたら、ぜひご紹介ください。

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