Who's Who Canada−著名カナダ人を知ろう




コンラッド・ブラック
Conrad Black
英語圏を牛耳るメディア王はトロントが故郷


Conrad Black
コンラッド・ブラック



フリーランスライター 三藤あゆみ


ルパート・マードック氏と並ぶ英語圏のメディア王といえば、コンラッド・ブラック氏。モントリオール生まれ、トロント育ちの実業家である。

ブラック氏率いるメディア・カルテル最盛期の90年代、カナダの新聞の6割が彼の傘下にあり、英国のデイリー・テレグラフ、何百種類もの米国の日刊紙、イスラエルのエルサレム・ポストなども、彼の会社ホリンガーインターナショナルが所有していた。

コンラッド・ブラック氏は、1944年、モントリオールで生まれた。父親のジョージM.ブラック氏は、親がウィニペグで始めた酒造業が大恐慌で落ちぶれたのを再興して成功した大富豪のキャピタリストだった。

歴史を愛する読書家、ナポレオンを尊敬し、金と名誉を手に入れるとなると血が騒ぐ・・・という点も含めて、コンラッドは子供の頃から父の影響を多大に受けて育ったという。8歳の時にGMの株を買ったという話は有名である。

トロントの邸宅で育ち、高校時代はショーファー付の車で送迎されながらアッパーカナダ カレッジに通った。「コンラッドは賢かったが、孤独で反抗的な青年だった」と当時の友人たちは言う。

校長室からこっそり試験の問題を盗み出して高く売ったのが最初の"金儲け"だったそうだ。

高校卒業後はカールトン大学に進み、好きな史学を専攻、さらにラバル大学で法学を勉強してからマギル大学院で修士号をとる。

20代の頃にはすでにカナダ国内の小規模な新聞社を買い始めていたが、青年実業家として頭角をあらわしたのは1970年代に700万ドルを超える資金をつぎ込んでカナダのアーガスコーポレーションを買収した時だった。

アーガスは当時、ホリンガー出版、スターリング新聞社などをはじめとするメディアや、スーパーのドミニオン、モーテルや資源源開発など様々な会社株を所有していた。

1980年代半ばには、経営難だった英国のテレグラフ社を買収。「デイリー・テレグラフ」「サンデー・テレグラフ」などの高級紙を手中に収めることで、メディア帝国を築きあげていったのである。その後、ブラック氏が設立したホリンガー社は、次々と新聞社を手中に収めていく。

2001年、英国貴族院に仲間入りするために祖国カナダの市民権を放棄し、"クロスハーバー・ブラック卿"の称号を手に入れた。彼はまた、カナダ枢密院議員とローマ教皇庁の勲爵士でもある。

しかし昨年末、ブラック氏はアメリカの司法当局から詐欺や脱税など11件の容疑で起訴された。全て有罪判決が下された場合は、最高懲役95年が課されることになっている。今までは、これまた有名な保守派ジャーナリストである妻のバーバラ・アミールとともにテレビや新聞に派手に登場していたが、最近はトロントのブライドルパスにあるお屋敷で人目を避けて過ごす時間が長くなったという。 そして現在、カナダ永住権を申請している・・・ということだ。



◇◇◇コンラッド・ブラックについてもっと知りたい?◇◇◇

日本語文献 http://pweb.sophia.ac.jp/~s-yuga/Article93b.htm

CTVのサイト(英語) http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20050922/conrad_black_timeline_050922/20050930/

洋書 「Life In Progress」著者Conrad Black(コンラッド・ブラック自伝) 「Shades of Black: Conrad Black - His Rise and Fall」著者Richard Siklos






≪著者プロフィール≫
三藤あゆみ
フリーランスライター/翻訳家、映像プロダクション通訳。日本の高校卒業後イギリスへ渡り、後にトロントに移住。埼玉県生まれ。
 

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