2006年度
オンタリオ州教員日本研修プログラム
帰国報告



フリーランスライター 三藤あゆみ



8月18日(金)、トロントのウェスティンプリンスホテルにて、2006年度オンタリオ州教員日本研修プログラムの帰国報告会が行われました。今年参加したのは、Samantha Tullettさん(Middlebury Public School教員)、 John Tancrediさん(Winona Drive Senior School校長)、Christina Tancrediさんの3名。

主な感想としては、
事前に十分な情報を提供してもらい、現地ではJETROの担当者の方がたいへんよく世話をしてくれた。
そのおかげで、集合、移動、荷物の管理、自由時間の過ごしかたなども含め安心して過ごすことができ、見学ツアーや文化体験などに集中することができた。
見学先、日本文化体験などの内容がうまく選択されており、日本について知らなかった事を短期間で多く学んだ。
自分たちだけで計画したのではできない体験がほとんど。食事もすべて楽しむことができ、たいへん感謝している。
などで皆が一致しました。

今回は、参加者のひとり、補習授業校が校舎を借りるウィノナ校のJohn Tancrediシニアスクール校長に研修旅行記を書いていただきました。


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Mr. & Mrs. Tancredi6月下旬のある日、私と妻はトロントから東京へ向かう13時間半のフライトに乗っていました。地球半周もするこの旅がどんなものになるのか私たちにはあまり想像がつかず、期待と興奮とともに不安を感じていました。言葉は通じるのだろうか?食べ物はちゃんと買えるだろうか?ベッドの長さは足りるのだろうか(私の背丈は6.5フィートある)? そして、この2週間の旅行のちょうど真ん中あたりにスケジュールされているホームステイは、ちょっとした冒険に感じられました。もちろん、ほとんどの日はホテル宿泊と分かっていましたが、初めて会う人の家に2泊もするというのはどんな感じなのだろうか・・・。

到着してからの数日は、オリエンテーション、日本語講座、新しい友人づくり、学校見学、着物試着、お寺の見学と、飛ぶように過ぎていきました。本当何を見てもすごいと感じました。東京は活気に満ちた都市。文化と歴史が豊かで、しかも、勤勉で、友好的で、礼儀正しく、正直で、品位のある国民性を反映しているかのようにポジティブなエネルギーが溢れていました。この旅行の最初の行程が終了して、いよいよ北へ向かう日となったのが信じられないぐらいの早さでした。

北へ向かう、つまり秋田行きは、初めての新幹線体験からはじまります。ここで私たちは再び、日本の効率の良さと美しさに感動することになります。列車はいつも定刻どおりに動いており、地方の風景の美しいこと。それとともにホームステイのことがまた頭に浮かび、少し不安になりました。見知らぬ人の家に、もしかすると英語が分からないかもしれない人の家に二泊も。大丈夫だろうか?

秋田に着いた最初の夜は、温泉でした。素敵な旅館に一泊。そして翌日は、いよいよホストファミリーに会う日。しかし、この旅行を通してほとんどの日がそうだったように、秋田での一日目も盛りだくさんのアクティビティがあり、一日中ずっとホームステイに関して心配している暇はありませんでした。

さて、ホストファミリーと会う時間がせまり、妻と私はとても楽しみに、と同時に不安を抱いていました。夕食の時間がついにやって来て、またもや日本料理のごちそうが並びます。いつもと違うのは、その夜は、ヒサシ、ケイコ、ノゾミ、そしてヒロヒトの四人と一緒にテーブルを囲んでいました。そう、彼らが私たちのホストファミリーです。

皆に温かく迎えられ、今までの不安はすぐに消えてしまいました。食後にはじまり、彼らは私たちのために様々なアクティビティを用意しておいてくれました。まずは、一緒に温泉につかることから。初対面の人と打ち解けるのに、なんと良いアイディア。

家に到着すると、再びホストファミリーが暖かく心をこめて歓迎してくれているのを感じました。私たちのために、たいへん心地良い部屋を用意しておいてくれました。その夜は寝る前に、皆で居間に座ってお互いのことを話しました。どうやってコミュニケーションをとったのかと思う方もいると思いますが、家族のメンバーはみな英語が分かり、多少は話すことができたのです。しかしなんといっても、長男のヒロはニュージーランドの高校に留学して帰国したばかりで、ちょっとしたキウイアクセント(ニュージーランドアクセント)のある英語を流暢に話しました。私たちの滞在中、彼の通訳スキルがさらに磨かれたことでしょう。

そして、話を切り上げ寝る時間がきました。結局その夜は、今までにないぐらいよく眠ることができました。温泉は本当に疲れがとれる・・・。

翌朝になり改めて、ホストファミリーが私たちのためにいろいろと計画をたてておいてくれたことを知ります。私たちが快適に過ごせるよう本当にベストをつくしてくれたのが分かりました。そして全てを楽しませていただきました。大学を見学し、日本の弓道も体験しました。日本海も見に行きました。博物館や歴史ある古い家並みを見て、回転すしの店でおいしい寿司を食べました。つまらないと思ったりぎこちなく感じることは一瞬としてありませんでした。ホストファミリーと、仕事や子供のことなど日常生活について語り合えたのも、たいへんよかった。お互いにとても多くの共通点があることが分かりました−楽しいことも苦労することも。

最後の夜は、皆で家族の写真を見ながらおしゃべりをし、のんびりと過ごしました。日曜の朝になると、ホストファミリーに車で駅まで送っていただき、京都へ向かうため研修旅行のほかの皆と合流しました。新しくできた友人であり心からもてなしてくれたホストファミリーの皆さんとお別れするのは、とてもさみしく感じました。抱き合ったり握手をして、連絡を取り続けて再会しようと約束しました。あんなにホームステイについて心配したことが馬鹿らしく思えました。それどころか、今回の旅行のハイライトとなりました。一生に一度の経験をさせていただきました。

旅行の第二週目も最初の週と同様、あっという間に過ぎてしまいました。京都のお寺のすばらしい建物、祝賀ディナーやランチなど心から楽しんだ食事、そして感動した広島訪問。どれをとっても素晴らしい体験ばかりでしたが、その中でもやはり「見知らぬ人の家」に2泊したことが、忘れがたい思い出です。今では友人となり、日本という国の一つの要素――日本人――について学ばせてくれた家族の皆さんでした。

(By John Tancredi, 翻訳:三藤あゆみ)

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