ミニシリーズ


ミニシリーズ第2弾
ちょっと手軽な健康法で、
もっといきいきカナダの生活

みずほコーポレート銀行
平川 侑実



広報委員では、新企画として、今後数回にわたり、皆様のご関心の高い様々な分野での専門家によるアドバイスやその道の醍醐味、面白さなどをミニシリーズとしてご紹介致していきます。皆様のカナダでの生活をより充実させるため、ミニシリーズをご活用ください。  


第2弾−パート1 
ちょっと手軽な健康法:入浴の3つの効果



日本のように夜お風呂に浸かる習慣もなく、長い冬には運動不足になりがちなカナダ生活。そこで、ミニシリーズ第2弾は、もっといきいき元気に生活するために、 “ちょっと手軽な健康法”を2回にわたってご紹介致します。なぜ入浴や散歩が、健康増進やストレス解消、老化防止等に役立つのでしょうか。 専門家が説く、3つの効用をご案内しましょう。今月は、入浴についてです。


入浴の三つの効果

「とりりあむ」読者の皆さんは週に何日入浴されていますか? 北米では沐浴のためのシャワーですが、日本では「疲れを癒す」ための入浴が主で、一日の中でいつそのための時間を費やすか、またその効果や目的は若干異なります。これから冬に向けて朝のシャワーから就寝前の入浴に変えてみませんか?ここで一度入浴の意義について考えてみましょう。


免疫力を高める

入浴をすると体内温度が上がります。私達日本人の平均体温は約36.3度。41度から42度のお湯に浸かった場合、体温は37度近くまで上がります。この体温上昇が健康維持に大変役立っているのです。それはなぜでしょうか?体温上昇することによって白血球の活動が活発になるからです。

白血球は殺菌効果を持ち、体内の免疫効果を高めます。また体内の「招かざる客」である病原菌を退治してくれるのです。この偉大なパワーを最大限に発揮できる条件が体温が37℃~38℃になった時なのです。インフルエンザに罹った時、ウイルスに感染した時など、発熱の症状を伴いますが、これは白血球が、ウイルスなどに抵抗するために必要な条件を作り出しているからです。

ですから発熱時に解熱剤などを飲用して急に解熱しようとする行為はこの自然治癒力に水を差すことになります。結果的に身体に潜むウイルスを全滅したことにはならないため、長期間、身体がだるくなったり、疲れやすくなったりする可能性もあります。

入浴し、体温を上昇させることは免疫力を高め健康を維持するための秘密兵器といえます。普段から風邪を引きやすい方、花粉症や皮膚炎に悩んでいる方にも免疫を高める意味で入浴はお勧めです。

体内の老廃物を出す

もう一つの利点は汗をかくことによって体の中に溜まっている老廃物を出してくれるということです。トロントに来てからすっかり乾燥肌になってしまったという方はいませんか?

そういう方は身体を冷やさない程度のぬるめのお湯にしばらく浸かってください。入浴剤 (泡のでるものよりも日本の温泉の元がお勧めです) や入浴塩 (Epson Saltなど) を使うと発汗作用はより効果的です。汗が額ににじんでくるまで浸かっていましょう。

汗と一緒に体内に不必要な物質が対外に出され、それと同時にお肌に水分が補給されますのでお肌がしっとりすること請け合いです。発汗作用を促すことで身体のシステムが老廃物を対外に出すという本来の身体浄化作用が活発になります。

しばらく入浴をされていない方、または普段から運動不足の方は汗腺が閉じているため汗をかきにくくなっていますので、最初から熱い温度の入浴はせず徐々に汗腺を開けるために何日か続けて入浴してみてください。

睡眠を促進する

そしてもう一つ、入浴後の体温上昇によって副交感神経(注1)の働きが活発になります。これは何を意味するかというと夜の入浴が睡眠促進剤になるということです。

私達の身体は交感神経と副交感神経がバランスよく保ちながら生活しています。忙しい人こそ、コーヒーや日本茶などカフェインを多く含む飲み物に頼りながら仕事をされていると思います。カフェイン飲用により交感神経を刺激し、目が覚めている状態を作り出すからです。

ところがその後、疲れているはずなのにすぐに就寝できない、熟睡できない方も多いのではないでしょうか?これはからだのシステムの中で交感神経の活動が継続状態にあるからです。このような状態では深い睡眠は期待できません。体温上昇によってこの交感神経の働きがにぶくなり、睡眠を促進する副交感神経にバトンタッチされます。

最近睡眠時間が足りない、熟睡できない、朝起きた時の爽快感がない、という方には 就寝前の入浴をお勧めします。

日本人が昔から勤勉でいられるのは、もしかしたら夜の入浴のお陰かもしれません。最近生活スタイルが西洋化され、入浴の習慣も軽視されつつありますが、ストレスの多い海外での生活を営んでいるからこそ、日本古来の習慣を受け継いで行き、健康維持に役立てたいものです。


<注1>
副交感神経… 寝ている時、 リラックスしているときの神経
交感神経…起きている時や緊張している時の神経。体内の環境を一定に保つ。 全身のほとんどの器官は交感神経と 副交感神経両方の支配を受け、二つの神経系がバランス良く働くことで 適正に 健康状態が保たれる。 今回は「すぐに上手くなる」考え方ではなく、「根本から上達する」練習の工夫、考え方の紹介です。




≪著者プロフィール≫
平川 侑実
埼玉県出身。高校時代Kitchener-Waterloo に交換留学。1996年に再来加。Royal York Hotel で1年半勤務後、98年にカナダの永住権を取得。現在カナダみずほコーポレート銀行に勤務。2004年にToronto School of Homeopathic Medicine を卒業。2005年に催眠療法士の資格取得。現在Holistic Clinic開業に向けて準備中。趣味は 読書、旅行、古本屋めぐり。

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