
リレー随筆
声変わり? 一度のずれ
損保ジャパン 角田 光史
最近気づいたことですが、この年になって声変わりしたようです。声変わりといえば、男の子が大人へと成長する過程で声の高さが1オクターブ程度低くなる現象で、女の子にもあるようです。
声変わりは人によって差がありますが、小学校高学年から中学生の間になるのが一般的、しかし私はその頃背も低く、人並みに声が低くなっていきませんでした。どれくらい背が低かったと言いますと、その当時朝礼で校庭に集まり整列する際に前から5番目に位置していたのですが、年々前に進んで行き、ついには前習えをさせてもらえず、腰に手を構える最前列になってしまいました。背が低いことにコンプレックスを感じ、また同時に早く大人の登竜門である声変わりをしたく、地声をわざと低くしてしゃべっていました。
そういう私でしたが、小さい頃にピアノを習っていましたので、絶対音感には自信を持っていました。かつてNHKが時報を「プッ..プッ..プッ..ポー」と鳴らしていた頃、時報が始まる直前に自分の声で寸分の狂いのない時報のものまねをやり、誇らしげにしていたものです。正確に言えばこれは「ラ」の音で、周波数440Hzを3回そして1オクターブ上の「ラ」の音880Hzという音の高さを体の中で持っていたと言うことです。現在NHKの総合テレビではもう聞けなくなり残念です。
実はこの440Hzはピアノの調律の基本となる音の高さであり、小学校の理科の授業で見かける音叉の音程なのですが、最近はアコースティックピアノよりもデジタルピアノの方が主流になったことで調律の必要性は無くなり、ご存知の方は少なくなったと思います。残念なことに小生もデジピ所有者なのですが。
さて、先日半年ぶりにカラオケに行き、歌いなれているはずの曲を歌ったのですが、どうも今まで出していた高い音が出ません。歌うときは喉の筋肉が使われ、他の筋肉同様使っていないと力が出ないものですが、歌っているうちにだんだん喉も慣れてきて問題はなくなると思っていました。しかし今回はそうでもなさそうで、やはり高い音域が出ないのです。
大いに私のストレス解消にもなるカラオケが思うように歌えなくなり沈んでいたある日、ピアノの前に座りぽろぽろと弾いていたら、ついにその原因が判明したのです。それは私が低音を出せる音が一度下がったからです。今まで低音は「レ」までしか出せなかったのですが、今は「ド」まで出るようになったのです。
試しに自分の絶対音感を確認する為に440Hzの音を発声しようとしたところ、これがなんと!ちょうど一度下がって「ソ」の音になっていたのです。これは声変わり?歌う音域と共に絶対音感が下がってしまったようです。たかが一度の違い、されど私にとって今まで信じていた自分の絶対音感が一度下がっていたので、かなりのショックでありました。
因みに、先日楽器屋に行き音叉を手に入れて現在絶対音感を矯正しておりますが、一度下がった声をもとに戻すことは出来ないようです。これでストレスを溜めてしまわないよう、今度カラオケでは伴奏を一度下げることにします。
* * * * *
次回の執筆はキャノンカナダの高橋様にお願い致しました。
|