新専務理事のばたばた日記 第5回 



トロント日本商工会

伊東 義員


5月緊日
領事館主催の海外安全対策連絡協議会に召集された。トロントの日系団体代表者や、観光業界関連の方々、メディアの代表者が出席されていた。比較的安全と言われるカナダ、トロントであるが、いろいろな事例を聞いていると、最近、物騒になってきたなと思える事件が多い。大々的なテロのような危険は少ないとはいえ、それも可能性がないわけではない。とかくカナダはお隣の国への窓になっていると言われ、また、資金源に使われるとも言われる。いつ起こっても、不思議ではない。

また、身近に報道されるニュースでも、銃による事件が気になる。つい先日も、トロント市内の高校で生徒が射殺された。3月に、隣の国では大学で32人が大学構内で射殺され、犯人である学生も自殺した事件があったり、数ヶ月前には、モントリオールの有名大学で乱射事件があったりしたが、遠地であるせいか、緊迫感がなかった。しかし、トロント市内で起こる事件では、そうもいかない。

犠牲になる人には、なんらかの関連・理由があると言われるが、学校、繁華街、住宅地で銃を発砲されたら、流れ玉で、まったく関係ない人が撃たれることがある。数年まえのクリスマスイブ、ダウンタウンの最も賑やかな一角で女子高校生が流れ玉の犠牲になった事件があったし、かなり以前ではあるが、自宅の近くのコーヒーショップで高校生が人間違いで銃で撃たれ死亡した事件も覚えている。どうも噂では、麻薬がらみの抗争と聞く。カナダは大麻の輸出国で、コカイン・銃の輸入国というのが、裏社会での認識らしい。

うっかり庭や室内で、観葉植物や花以外を栽培していると、大麻栽培で通報されかねない。現に、自宅の前のガーデニングを趣味にしているおばあちゃんの家が心ない人に通報され、警察が調べにきた。それだけ、人々の中に不安があるのだろう。

商工会会員会社の所在を地域別に分析したところ、トロント市以外にある会社が全体の60%以上となっていた。駐在員のご家族も、会社に近い地域に住んでいるであろうから、ほぼ同じような分布になるだろう。

先日、駐在員や日系団体の方とトロント市内での危険な場所という話題になったとき、さすがに当地に長い方は詳しく知っているが、駐在員の方は、あまりご存知なかった。時々、遠地よりトロント市内やダウンタウンに遊びに来るときや、ゲストをどこか面白いところに案内しようとする場合には、こうした危険な場所は頭に入れておいて、なるべく近づかないほうが無難。でも、そうした場所には、大人の遊びがあるのも事実。む〜。

6月若日
ワーキングホリデーでトロントにも、若者がたくさん来ている。その一人から、メールがあり、ビジネスを考えているが、わからないことが多いので、話を聞かせて欲しいとのこと。若者には常に夢を持ってチャレンジして欲しいと思っている身としては、うれしい相談。どうぞ、どうぞと返信。翌日、早速、事務所にやってきた。今どきの若者(これって、典型的な親父の言い方?)にしては、きっちりスーツを着て現われたので、ちょっと感心。

話を聞いてみると、ワーキングホリデーの身分でも、ビジネスを立ち上げられるかという、かなり大胆な相談。意欲と発想は、とても良いと思うが、1年未満の内に立ち上げるには、資金の手当、マーケティング準備、各種認可で、ちょっと難しいと思える。いろいろとその辺のところを話してあげた(偉そうに?)。でも、こうしたちょっと無鉄砲とも思えることにチャレンジしようという若者がいることを知ると、うれしくなる。ちょっとさわやかな気分の一日。

6月講日
補習校高等部では、年2回、高校生の論文教育の一環で教育講演会を開催している。今回は、トロント小児病院の越智先生。内容は、脳の働きに関する専門的なことと、脳を宇宙に見立てた人生観というものと理解した(もしかしたら、ポイントがずれているかも)難しい内容ながらも、生徒たちは聞き入っていた。

当日は、ビデオ担当だったのですが、質問の時間の最後に、校長(一応わたくしが校長です)に振られたので、一つ質問をさせてもらった。「人間の体は、驚くほど合理的に出来ていると思います。では、右脳が左半身、左脳が右半身を支配していて、神経が首のところで交叉しているとのことですが、交叉する合理的な理由は、なんなのでしょうか」。 右は右、左は左のほうがすっきりすると単純に考える自分にとっては、長年不思議であった疑問。でも、こんなこと、疑問に思う人がいなかったらしく、聞かれたことも聞いたこともないとのお答え。

もしかして、これを医学的に解明すれば、ノーベル賞も夢じゃない?

6月動日
同日、小学校運動会があった。久々にフィルムカメラを持ち出して、撮影小僧気分。そのカメラ、なんとピント合わせが手動のやつ。いまどき、そんなの使っているやつ、いないよ、と思いながらも、わくわく。運動会の写真は、ちゃんとカメラマンがいますので、生徒は写しません。撮るのは、父兄や先生、応援団など。別にきれいなお母さんを激写する魂胆ではありませんよ(撮ってもよかったのですが、やはり・・・)。多くは、お子さんの活躍を写真やビデオで撮ろうとしているご父兄を写したのです。運動会でがんばっているお子さんたち以上に真剣なご父兄の顔、なかなかほほえましいものです。好きです。

でも、撮影そのものには、思わぬ苦心。あまりに天気がよく、明る過ぎ。不注意にも、高感度フィルムを装填してしまったため、常に露出オーバー。いろいろと機能を弄繰り回して、なんとか撮影したものの、出来上がりは不安。まだ、現像していない。

6月遠日
オンタリオには、トロント以外にも補習校がある。トロントの西200キロにあるロンドン。電話やメールでは、お話を伺っていたが、やはり見に行かなくてはと出向いた。車で約2時間、401を西方へ。

ロンドンの町には、ほぼ14年ぶりか。かつて、ロンドンのゴルフコースで、女子プロゴルフの大会があり、当時活躍中の小林浩美選手を観に、出向いて以来(当時、ミーハー!?)。そのときは、上司である会社の社長が運転し、自分は帰り道、隣で居眠りをしていた。今考えれば、大した度胸。でも眠いときは、眠い。(と、14年後の言い訳?開き直り!?)。

教えたもらった地図を頼りに無事到着。会長さんと先生たちにお話を伺い、授業も見せていただいた。少人数での授業を見ていて、ここの生徒さんは、先生をすごく身近に感じているのがわかる。前にも書いたが、ご父母の手作り補習校。いろいろな面でご苦労も多いと伺ったが、それでも大規模補習校にはない良さがある。この良さは、残したいと思う。

商工会でできる援助は、教育部長と相談の上、次回の理事会に提案するが、運営面では、トロント補習校からの支援のほうが大切かも。トロント補習校と同じく、先生の確保が難しく、新任の先生の研修も十分できないとのことで、その面では、プロであるトロント補習校の派遣の先生にご指導をお願いしよう。その他にも、ホームページや教材提供の面で、支援が考えられる。密な連携で、よりよい教育機会を子供たちに提供したい。

6月金日
金融サービス委員会を商工会事務所の会議室で開催した。なかなか商工会事務所に来ていただく機会がないので、よい機会(と勝手に思っている。)金融サービス委員会には、銀行、保険、人材派遣、法律事務所、会計事務所といろいろな専門的サービスの会社・法人が所属している。話の内容も特殊事情や規制が多く、勉強になる(というか、まったく判らず)。

議事録を後で纏めようと録音テープを回していたが、ついじゃじゃ馬根性が顔を出してしまった。話されている内容を必死に理解しようとしてしまい、後半のもっともほしい議論の部分になるまえに、テープ片面終了していたのに気づかず。あとで聞き返したら、冒頭の参加者自己紹介と、自分が発表した商工会活動報告が殆ど。肝心の問題検討はほんの少しだけ。あ〜〜あ。おばか!!これじゃ、だめじゃん!!それでも、なんとか筆記記録と最近物忘れの激しい頭の中からなんとか整理し、纏めた。ふ〜。

6月貿日
今日は、貿易運輸委員会。人数が多いので、会場設営に悩む。会議室が狭い。理事会のときにも感じていたので、これを機会に模様替え。(最近読んだ本に、『上司は思いつきで物を言う』と言うタイトルがあったが、まさに自分?)。会議室にあった本棚を会議室より退去させた。広い、広いと一人喜ぶ(急遽の思いつきで、一緒に移動を手伝わされるはめになったYさん、ごめんなさい)。その際、過去数年のファイルを本箱より、引っ張り出した。へ〜、こんなのファイルされているんだと感心。ファイリングがまったくできない自分としては、改めてアシスタントのありがたみを認識。

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