広報委員のひとりごと


カナダにきて不思議に感じていること



2007年度広報委員

笹尾 剛 (在トロント日本国総領事館)

ここトロントに赴任して1年半を迎えようとしています。とにかく様々な人種が入り交じっていて、毎日の通勤で地下鉄に乗っていても周りから聞こえるのは英語だけとは限りません。いや、英語以外の方が多いかもしれません。そんな状況なので、カナダ人とは、トロントニアンとは、などと一括りにはできないのかもしれませんが、とにもかくにも私がトロントに来て不思議に思っていることをつらつらと書いてみます。

○列の順番に関して猛烈にうるさい!

例えば、トロント・アイランドに行くとき、フェリーのチケットを買うため窓口に並びます。春から夏にかけてのトロント・アイランド行きのフェリーはとても混んでます。当然、チケット売り場も行列必至です。しかし、ディズニーランドのように行列を誘導するロープなどありません。一見すると無秩序にも見える列ですが、実はみんな自分の前の人の洋服の模様だけはしっかり覚えています。自分の目の前に見覚えのない服の模様が現れようものなら、下は5才の女の子から、上は80過ぎのおじいちゃんまで、必ず注意されます。以前、前の家族が話しに夢中でその前の列の進行に気付かなかったため、前進を促すために横に並んだところ(決して抜かしたわけではありません)、小学生の女の子に「我々が先よ!」と、もの凄い形相で言われてしまいました。

通常、ティムホートンは列が一列になるように設計されてますが、ランチタイムに私がよく行くティムホートンは、フードコート内にあるためか、各レジの前でそれぞれの客が何となくフワフワする形式になってます。しかし、ここでも各自がそれぞれの順番をわきまえていて、ちゃんとお先にどうぞ、俺が先だったよね、という感じでみんなが到着順にオーダーをしていきます。トロントニアンの順番遵守には本当に感心します。

○と思いきや電車に乗り込むマナーはと言うと・・・

これが電車に乗り込むときには様相が一変します。当然のことながら、TTCの地下鉄は東京の電車のように、停車位置がミリ単位(ちょっと大げさですね)で決まっているはずもなく、ホーム上に列を作るよう促す表示は一切ありません。各自が適当にホーム上で電車が来るのを待ってます。自分の目の前にドアが来るかどうかは、その日の運次第です。しかし、運良く自分の前にドアが来たとしても全く油断はできません。平然と目の前に割り込んできて、これまた当然のように先に乗り込みます。これは、老若男女、人種を問わず行われます。列を作ったときには、あれだけ順番にうるさかったトロントニアンが、地下鉄に乗り込むときは別人の振る舞いをするのです。

○ところが地下鉄の車中では・・・

割り込みをされイヤな思いをしながら車内に乗り込みます。するとまたまた信じられないことに皆さん突然紳士淑女に変身です。男性は女性に、若い世代はお年寄りの方に席を譲るのが当然のように行われています。私の前に当然のように割り込んで電車に乗り込み、サッサと席に座ったキャリアウーマンらしき女性が、年寄りが乗り込んで来た途端、もの凄い勢いで立って席を譲るのです。ボーッと隣に座っていた私は、タイミングを完全に逸してしまい、かなりバツが悪く席に座り続けるしかない状況が生み出されます。なんで男のお前が席を譲らないんだよ!という声なき声が周りから一斉に聞こえてきて、仕方なく居眠りをしているフリをするしかありません。

○これが乗り物が変わると・・・

そんな紳士淑女たるトロントニアン。さぞやマナーがよろしいのかと思うと、ハンドルを握るとこれまた人格が変わります。これは皆さん経験されていると思われますが、自動車の運転マナーは、日本人の我々からすると想像を絶するものがあります。車間距離の短さなどハンパではありません。日本の高速道路では、車速と同等の車間距離が求められますが、信じられないことに100km/hで走行している車が10mあるかないかの車間で走り続けています。

一概にそのせいなのかどうなのかは分かりませんが、毎日401号線では事故現場を目撃します。その度に渋滞が起こるという始末。また、地下鉄内では席を譲っても、ハンドルを握ると決して道を譲ることはありません。高速道路の進入地点で、減速して道を譲るなどもってのほか、逆にスピードを上げてわざと入れないようにする車さえ少なからず見かけます。困ったものです。

思いつくままに書き殴ってみましたが、トロントニアンの実態は、やっぱりよく分かりません。彼らを理解するためには、私にはもう少し時間が必要なようです。



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