新専務理事のばたばた日記 第8回 



トロント日本商工会

伊東 義員


8月休日
理事会の承認を得て、今年より正式に事務所閉所日を設定した。夏休みお盆の1週間とクリスマス・年末期間。さっそく、ゆっくりさせていただいた(もっとも、その間、補習校の会議でボストンに出張しましたが。ま、それは仕方ないとしましょう)。

溜まっていた雑誌を読んでいると、ちょっと面白い記事があった。日本貿易会月報寄稿「気候変動と世界の水資源」(東京大学 沖 教授)。「急的な人口増加と経済発展、気候変動などにより、多くの国で水不足が発生しています・・・」という内容で始まり、世界の水危機という小題では、「現在、安全な水にアクセスができない人が世界人口の約5分の1、つまり、約12億人いると言われている・・・」なにやら、深刻な状況のようである。

難しい部分は、自分には理解不能(情けない!)として、自分が面白いと思ったのは、「バーチャルウォータートレード」。これすなわち、いろいろな物を生産するのに、どれだけの水が必要かを見たもの。自分が理解できた範囲では、たとえば、小麦を生産するのに大量の水を必要とする(これは、理解できる。なんせ水まきするから。単純な発想)。この小麦のつくるところから、消費されるまでの一連の流れを水に置き換えた考え方である(かな?)。例として出ていたのが、ハンバーガー1個に水1トン、牛丼1杯に水2トンが必要という数字。なんとなく理解できるような、できないような数字。「一番たくさんの量を使っているのは飲料水や水道水ではなく、食べ物である」という教え。

そういえば、今年の夏は雨が少なく、カナダの農作物に大きな影響が出ていると報道されているが、やはり水は大切。改めて認識した。少しでも水を無駄にしないように心かけましょう。でも、手洗いはしっかりしましょう。自分はいつも手洗いしなくて、家族から怒られています。

では、工業用水はどうかというと、この分野では、GDP比でみると、日本が圧倒的に低いのだそうだ。工業用水再生利用率80%と高いため。こうした技術、これからの日本の進む道のひとつになるのかもしれない。などと、ちょっと偉そうなことも思ってみたりした。

8月ボ日
事務所閉所期間中(ちょっとしつこいかな?)、ボストンで開催された北米東部補習校協議会に、補習校の佐野校長先生、佐々木教頭先生と参加した。自分の出た事務長会議は、先の日本での事務長等会議とほぼ同じような内容であった。この会議、もともとは派遣教員のいない学校の現地採用教員の研修会に、くっついたものらしい。

トロント補習授業校は派遣教員の先生がいるので、これまであまり積極的に参加してこなかったようだが、カナダ東部にある他の補習授業校(ロンドン、オタワ、モントリオール、ハリファックス)からも先生方が来られ、研修を受けられていた。みなさん、生徒さんのために本当にがんばっているなとつくづく感じた。おそらくトロントに一番近いのではと思うバッファローの補習授業校では、先生方はみな大学生とのこと。できれば、トロント補習授業校への体験入学ができないかと打診された。

子供の教育にかける思いはどこでも同じ。国がまたがるからとか、領事館管轄が違うとか、いろいろ言う人はいるかもしれないが、大きなところが小さなところを支援するのは当たり前と思っている自分は、即、OKを出してしまった。その後、連絡がないが、どうなったかな。もし、お願いされることになったら、また、補習校の人たちから怒られそう。ごめんなさい!!

8月報日
コミュニティーリレーション部が1993年以来続けている現地校教員派遣プログラムに今年参加した先生方を招いた報告会を持った。自分の拙い進行で、良かった点、悪かった点、改善点などなど、忌憚のない意見をいただき、今後の参考にしてもらおうと主催者側に伝えた。幸いにして大変よかったという評価でホッとした。

主催したJETROから、研修の様子を撮った2枚のDVDが送られてきたので、みなさんで観賞した。日本の学校で教えている様子、学校側の迎える準備、生徒の様子など、大変興味深い。今回の研修で、参加された現地校の先生がその印象、得た知識を今後、日本人生徒へ指導や日本に関する授業に活かしていってもらいたい。

このプログラムで、これまで30名以上の先生に参加してもらったが、今後もこのプログラムは継続したいと思う。ちなみに、米国からはいろいろな州から参加してくるが、その選考はかなり熾烈で何回も試験、面接があるとのこと。トロントでは、商工会から各教育委員会に選考をお願いしている。時に、なかなか決まらない年もあったようだが、選考はどのようにされているのか一度聞いてみたい。

研修には京都旅行が含まれているが、これは大変好評。でも、今年の意見の中に、お寺ばっかりは飽きるとの指摘も。日本人としても、これは判る気がする。でも京都で他に見るものって、あったっけ?

8月運日
今年のチャリティーゴルフ大会も無事終わったと思いきや、早くも来年の準備にかからなければならない。10年以上、グレンイーグルGCで行ったきたが、どうも近年ゴルフ場の対応が冷たいとの報告から、来年は別の場所にも当たってみましょうということになった。

ある会員の方が口を利いてくださり、数年前にできたロイヤルオンタリオというコースで見積もりをいただいた。このコース、自分の以前の職場に近かったため、よく接待に使わせてもらった。当時はクラブハウスも建設途中で、1番、10番も逆になっていたり整っていなかったが、いまは立派なコース。決して、やさしいコースではないと思っている。値段の面で厳しいのではと思って、交渉に臨んだが、100名以上のコンペとなると交渉力があるのか、先方も総収入で計算して何とか予定の予算内で収まりそう。昼食もごちそうになり、今シーズン、また招待するから一度プレイに来てくれとオファーされた。だれか一緒にいきませんか?(もう遅いか?)

ちなみに、来年の商工会ゴルフは、6月8日(日)となりましたので、今から、最優先行事として予定しておいてください。お願いします。

8月訪日
今年の6月に行ったチャリティーゴルフ大会で、参加された方々からお預かりした寄付金および全体運営から余った益金合計6239ドルを、今年の寄贈先Bloorview Kids Foundationに寄贈すべく、中村会長ともども訪問した。CEOに小切手を贈呈し、記念写真(商工会ニュースに掲載されていますので、見てください)。

その後、設備を見学させていただいた。いやはや、立派な施設に驚いた。病院施設(入院、外来)、入院している子供たちの学校、リハビリのための設備(体育館、プール等)、研究施設、子供たちひとりひとりに合わせて、義手、義足等サポー用具をつくる工房、医療専門図書館等。こうした施設ではカナダで一番なのだそうだ。運営費の50%は、政府の援助、残り50%は寄付で賄われているとのこと。これだけの施設を運営するには、並大抵の努力ではないだろうと思う。

商工会は、今回2回目の寄贈で、寄贈総額が1万ドルを越えたので、寄贈者・団体を表示しているプレートに名前が刻まれて用意されていた。寄贈してよかったという気分になった(すぐその気になる性格、直したほうが良いかも?)。そのプレートを見ていて、なんと自分の子供が通う現地校高校生徒会の名前があるではないか?それも商工会より上の金額ランクに!生徒会が一度にそんなに多額の寄付を集められるとは思えないので、それはきっと1回分は少額でも長く続けているのだろう。こうした慈善活動は金額の多寡ではなく(もちろん多いほうがよいのでしょうが)、続けることが大切なのだと知らされた。それにしても、チャリティーにご寄付いただいた方々、本当にありがとうございました。お預かりした志を、障害で苦しんでいる子供たちの社会復帰に使わせていただきました。



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