
新専務理事のばたばた日記
第10回

トロント日本商工会
伊東 義員
10月交日
補習校は現地校の校舎を借りて運営しているので、本来、教室の主は、現地校の先生。時々、補習校の生徒が教室内のものを動かしたり壊したりして、主からクレームが来ることがある。それでも、長年に亘り校舎を使わせていただいているのは、現地校の先生方のご理解の賜物。とても感謝している。そうした感謝と、補習校の先生方との交流を深める意味から、年に1度、交流会を開催している。
今年は、空港近くのホテルで行った。少しでも無駄な費用を省こうと、音響は全て自前。補習校の機材を持ち込んだ。一応、自分の機材も持っていったが、出番は無かった。(もっとも、会場にあった接続端子のオスメスが違いケーブルがなかったので、繋げと言われてもできなかったのが本音ですが)。総勢60名くらいお集まりいただき、よかったとの声をたくさん頂いた。今回は、運営委員の方の会社から景品寄付をたくさんいただき(急遽お願いしたのですが)、現地校の先生方に抽選で差し上げることができ、たいへん喜ばれた。ポータブルDVDが当たったある先生は、あまりの嬉しさに自分のハンドバックを忘れて帰ってしまったほど。有意義な交流会でした。
10月TV日
日本のテレビ番組はいろいろなバラエティーを創るもんだ、と思っていたが、ついに商工会にも連絡が・・・。某テレビ局向けに、「外国人武者修行(自分が勝手に考えた題)」なる企画で、日本の伝統技術に興味がある外国人を日本に呼び、1ヶ月から2ヶ月、その道の師匠の弟子となり、修行するというもの。旅費、滞在費は向こう持ち。ついては、商工会で誰か適当な人がいないか、との問い合わせ。
思わず、「自分が・・・」と言おうかと思ったが、自分は外国人のような日本人のような(都合のよい時だけ)で、見た目、短足、メガネでどこから見ても、典型的な日本人(体型は特に)。「できれば白人で、すこしは日本語が使える人がよい」というので、JET(=The Japan Exchange and Teaching Program。通称JETプログラム、語学指導等を行う外国青年招致事業)参加者の団体に振ることにした。そのプロダクションからの連絡では、カナダから8名ほどの応募があるとのこと。もしかしたら、あなたの知り合いが日本のテレビにでるかもしれませんよ。
10月組日
今度は、バンクバーの団体から。来年、ある組合がカナダに視察団を送ることになり、できればトロント近郊でカナダの会社の工場見学をしたい。ついては、どこか紹介してくれないか、とのお願い。「あの〜、商工会は、観光案内はしていないのですが〜」と言えるわけもなく、「連絡をとってみましょう」ということになった。
業種はなんでもよい、とのこと。なんでもよい?だって、視察団でしょ。仕事でしょ。と口まで出そうになったが、ぐっとこらえ、承りました。でも、これとて当てがなく、さっそくカナダの団体に振った。先日、その団体の事務長にあったが、暫く日本に行っていたので、メールを見た覚えがないとのこと。道理で返信がないわけだ。
10月プ日
補習校の高等部校長を兼務しているので、高校生と接する機会が多い(生徒は嫌がっているかもしれませんが)。高校ともなると現地校のほうも難しく、大変だと思う(まるで他人事?)
補習校では、毎年、意見文発表会があり、高校生の中にはパワーポイントを使って発表する生徒もいる。数年前、発表を殆ど全部、パソコンにやらせた生徒がいたそうだ。それはそれで凄いことをやったもんだ、と思うが、それでは本来意図する発表ではない、ということになり、意見文発表会でのパワーポイントの使い方を教えることになった。
折角の機会なので、「じゃ、プレゼンテーション全般に広げて話をしましょう」、ということになり、1時間講演をする羽目になった。これまでの経験から勝手にまとめたもので、専門家から見れば間違っているかもしれないが、少しは役立つかも。
講演会(なんか偉そう!)の冒頭、「プレゼンテーションの仕方を現地校で教わったことがある人?」と聞いてみたが、誰もいなかった。これには正直ビックリした。こちらの学校では、小さいときから自分の個性を出し、教室でも積極的に参加、アピールすることが評価される。そう理解していたので、当然、高校くらいになればプレゼンテーションの仕方、資料の作り方を教えてもらっている、と勝手に理解していた。上の娘に聞いたら、高校で教わったという。でも、息子に聞いたら、教わったことがないという。どうも、オンタリオの教育制度が変わり、高校が5年制から4年制になったときに、こうした授業がカットされたようだ。お子さんをお持ちのみなさん、教育カリキュラムが学校から配られていると思いますが、ときどき調べてみると思わぬ発見がありますよ。え、こんな事、教えるの?え、あれは教えないの?
10月継日
新移住者協会NJCA主催の継承日本語勉強会に出席した。「最近、ぼけ始めて言葉が思いつかなくなったので」というわけでもないのですが(誰です?やっぱり、と思った人は!)、最近、日本語に興味が出てきた。講師は、長年トロントで日本語教育をされている鈴木美知子先生。題は、「家庭における子どもの継承日本語育て」。お子さんに日本語を身につけて欲しいと願うお母さんが参加されていた。みなさん、大変苦労されているな、と実感した。
最近はワープロ、パソコンで文章を書くことが多く、かなりの精度で日本語変換してくれるので、あまり気を配らなくても、それなりの文章になる。でも、突拍子もない失敗をすることも。
以下は、シカゴ補習校が実施した漢換ミスコンテストより。
(シカゴ日本人商工会会報誌より、抜粋掲載)
うまくいかない画像サイズになった=>馬喰い家内が象サイズになった
何かと胡散臭い時がある=>何か父さん臭い時がある
今日居ないもんね。ごめ〜ん=>胸囲ないもんね ごめ〜ん
こんな経験、ありません?え、気づいていない?それって、そのままメールで送っていませんか?
11月若日
商工会事務所に定期的に送られてくる、まったく畑の違う雑誌に、関連する記事があった。「今の日本の若者像」。今の日本の子どもたちは、自分を透明にしようとしている。目立たず、みんなと一緒に平穏無事に。これは、いじめから身を守る事自己防衛本能の表れでしょうか。会社に入った新入社員の調査では、@縦(上司、顧客等)とのコミュニケーションが取れない。A仕事は教えてもらうもの B突飛なことをせず、目立たず、生活安定第一。
これらは、バブル崩壊で苦労している親や大人を見ていて身につけた知恵と、友人、同世代とのメール、チャットなどヨコのコミュニケーションに依存し過ぎる結果だと結論づけていた。なるほどな、と思う反面、これからの日本を担う若者が、定年後をどう生きようかと必死で考えている団塊の世代の人たちより年寄り臭い考えでいることに考えさせられた。こちら式に、自分ばかりアピールするのもどうかと思うが、どちらが好きかと言われれば、アピールして失敗する人間の方を応援したい。
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