リレー随筆

 

YOGAのすすめ

意外に多い男性参加者、腰の痛みもなくなり・・・





   植田 隆彦   (みずほコーポレート銀行 カナダ支店)



ニューヨークに3年間勤務したあと、2007年4月にトロントに参りまして漸く1年経ちましたが、ニューヨーク滞在中に始めたことで、今も続けているYOGAについて書いてみることに致しました。肩や腰などに痛みを感じる方への参考になればと思います。

きっかけ
私はもともと運動をあまりしない方です。しかも、ニューヨークではマンハッタンに住んでいたこともあり、運動らしいことは会社への往復で30分歩く程度。吊革にしがみついたり、気合いを入れて電車に乗り込んでいた日本での通勤がかなりの運動量であったことを改めて認識した次第です。

この程度の運動量ですから、もとからあった肩こりが悪化、重いカバンを肩にかけると背筋が痛むようになってしまいました。当初は、幸いにもアパートまで出張してマッサージをしてくれる人が見つかり、少しは助かっていました。ところが、生憎、その方は更なる修行のためにヨーロッパに引っ越し。新たな治療法を探していたところ、ある知人の奥様より、「YOGAをやってみてはどうか」と勧められたのがそもそもの始まりでした。

といってもYOGAがどういうものかも知らず、また、YOGAは若い女性がやるものだとの先入観があり、しばらくはアドバイスを放置。その間、肩・背中の痛みは一層悪化。ジョギングやジムには行ってみるものの状況は改善しません。そこで、ようやく重い腰を上げ、アドバイスを頂いてから3ケ月以上も経ったところで、受話器を手にとりました。

“May I ask you if there are some guys in the class?”
“Yes. There are many.”
“Are there any OLD guys?”
“Yes. There are many!!”
“I have never done Yoga before and I am not flexible.”
“Just come and try!!!!”

YOGAとは
ウィキペディアによると、ヨガは「インド発祥の心身制御のテクニック、あるいは修行法の総称で、姿勢や呼吸法のみを重視する健康ヨガ的なものや、瞑想による精神統一を重視 するものまで様々」で紀元前からあったとのことです。ただし、最近のヨガは伝統的なアシュタンガ・ヨガやハタ・ヨガをベースにフィットネスの要素を取り入れたものになっているようです。要は、「精神統一」ではなく、「運動」に近いものだということです。 私が紹介してもらったのは、このなかでもホットヨガの部類に入るものでした。

最初のクラス
さて、最初のクラスはそんな基本的なこともろくに調べず、「ストレッチのような軽い運動だろう」というくらいの気持ちで出かけました(実際、ストレッチはヨガから来ているとの解釈もあります)。ところが、これが大きな間違い。一通りの手続きをして、1リットルの水が入ったペットボトルを手にスタジオに入ったところ、かなりの暑さです。予想はしていたものの、室温は大体38度くらいに保たれているとのこと。時期は9月、外の気温は30度あるのに、更に「暖房」しています。

ひとつのセッションの長さは90分。途中で水を摂りつつ、26種類のポーズを順番にとっていきます。それぞれのポーズは複雑ではありませんが、一つのポーズについて1回目は1分間、2回目は30秒静止します。これが、普段使っていない筋肉への負担となるため、思いのほかきついのです。全く初めてですので、できないポーズも結構あり、YOGAが単なるストレッチではないことを改めて認識した次第です。そして、想像していた以上に体力を使います。最後にはペットボトルは空。その分だけの汗を流しているということです。終わってみると、「心地よい疲労感」というよりは、「心底疲れた」というのが正直な気持ちでした。

ただ、久しぶりに体全体を使った運動をしたせいでしょうか、疲労のなかにも肩や腰のあたりが軽く感じられました。ジョギングやマシンでのトレーニングとは、また違う感覚です。私の場合は、肩・背中の痛みを何とかしたいという目的がありましたので、筋肉を伸ばし、力を入れて静止するというパターンがちょうど良かったのかも知れません。色々と試してきたなかで、ようやくこれはと思えるものに出会えたというありがたさを感じることができました。

その続き
となれば、「継続は力なり」です。それからは、一週間に一度通うように心がけました。YOGA自体はそう簡単には上達しませんが、慣れてくるに従い、固まっていた体が少しずつ解れてくるのが実感できます。また、毎週行っているうちにインストラクターとも顔なじみになり、参加者にも知り合いが増えてきます。コミュニケーションが増えればそれも続けていくことの一つの支えになります。

そうして知り合った人からのアドバイスも頂きました。週に1回だとやらないよりましな程度。体力をつけたいのであれば最低で週2回、できれば二日に1回はやるべきだ、と。何事も改善しようと思えば、努力が必要ということです。確かに、週に2回やったとしても合計3時間。その程度の運動くらいしないとだめだろうなと思い、始めて半年ほど経った頃からは、時間の許す限り週2回を目標にして現在に至っています。

ところで、習い始める前に気になっていた男性の比率ですが、意外と多いです。3割から4割。時によっては半数ということもあります。そのなかには中年・老年の人も半数くらいいます。日本に戻ったときにのぞいた事がありますが、やはり日本では男性の数は少ないです。それに比べるとアメリカやカナダでは男性比率は多く、参加することへの抵抗感は小さいと思いました。

効用
それでは、2年間やって何かメリットはあったのでしょうか。体重・ウェストは、ベルトの穴が一つ縮まった程度で、あまり変わっていません。ヨガをすれば、筋肉は多少つきますが、やせるということはないようです。26あるポーズが出来るようになったかというと、写真でみるようなお手本的な形が出来るのは、せいぜい3つか4つでしょうか。始めた年齢が高いので仕方がないのですが、進歩が早いとは言えません。

良くなったことでは、まず、肩こり。完全には解消しませんが、だるさはとれ、重いものを持ち上げた時にあった背筋の痛みはなくなりました。今では、長時間立ったままでも疲れることはありません。この関連でいえば、ゴルフです。18ホールラウンドした後、特にカートを使わず徒歩でラウンドした後の腰の鈍痛がなくなったのが嬉しいです。あとは、車の運転。肩や背骨を回転する運動のおかげで、バックをする時に後ろを振り返るのが楽になりました。

全体的にいえば、姿勢が良くなったことと、筋肉が締まったことで気持ちに張りが出てきたのが感じられます。これはスポーツなどをやられた時に感じることと同じだと思います。また、YOGAを始めて以来、風邪をひいたことがありません。どの程度、関連性があるのかわかりませんが、風邪に対する抵抗力がついているのかも知れません。

何だ、それだけか。と思われるかも知れませんが、年を取るにつれて肩が回らなくなる、手が上がらなくなるといった症状が出てくる方は多いと思います。ある友人から、「これからは運動をしないとどんどん体力は衰える。運動したからといって今更体力がつくわけではないが、40代から50代にかけてどの程度努力するかで今後の人生が変わってくるんだ」と会うたびに言われたことがあります。その友人は元体操部で、毎日トレッドミルを5キロ走っています。とても真似できないですね。でも、そういう背景もあり、このタイミングでヨガを知って始めることができたのは、私なりの健康維持を図っていく上で、良かったと思っています。

私が、こうして少しでも体質を改善することができたのも、最初に申し上げたように、色々な方からの紹介・アドバイスがあったからです。もし、肩や腰のなどでお悩みの方がいればご参考になればと思い、体験を述べさせていただいた次第です。

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