
新専務理事のばたばた日記
第15回
ビジネス、法律セミナー、
そして「かわいい〜」入学式も

トロント日本商工会
伊東 義員
3月事日
カナダで事業を始めたいと考えている若い人材が増えているように感じる。商工会にもそうした問い合わせや、話を聞かせてほしいとの電話が来る。ある会員さんの紹介(友人関係か)で、日本で本格的な着物地を使った装飾品などを販売している方が、トロントに出店したいとの相談を受けた。少し前に、カナダの友人から、「トロントで着物を買える店はないか」と聞かれ、「本格的な着物を売っている店はないと思う」と答えたばかりだったので、結構こうした着物関連の商品、いけるかも?と思った。サンプルを見せていただいたが、大変綺麗なもので、実用品というよりもインテリアとして飾る装飾品として売り出したほうがいい感じ。
なかなか面白い。がんばっていただきたい。でも、いきなり店を構え、人を雇って始めるのはどうかな?リスクが大きすぎる気が。ちょっとその辺りの事業計画、見直したほうがよいのでは?とアドバイス。なんか事業コンサルタントになったような気分(もちろん無料ですが)。こうしたコンサルタントサービス、商工会のメニューに加えようかな?
4月入日
4月といえば、日本では入学式。満開の桜の下を、お母さんに手を引かれ、背中からはみ出しそうな大きなぴかぴかのランドセルを背負った小学一年生が、笑顔で歩く光景が思い浮かぶ。でも、トロントではそういう光景、見られないのがちょっと寂しい。
補習校でも入学式が行われた。今年は初めて幼稚部年中組が設立され、15名の新年中園児が全校生徒、保護者の見守る中、最初に入場した。かわいい〜。考えてみれば(考えなくても)4歳児ですから、こんなにたくさんの人の中を主役で歩いたこと、ないだろうな。来賓の方々、校長先生の話など「どこのおじさん?」といった感じ。でも、それがまたかわいい。横から、そんなことを思いながら見ていたが、担任の先生のご苦労は大変なもの。
騒ぎだす子、泣き出す子もなく、ちゃんと座っていたのには、感心した。楽しい補習校生活を送って欲しいな。
4月暴日
商工会の法律関係をお願いしている法律事務所が、夏の数ヶ月を除く(これは彼らの休暇のせい?)ほぼ毎月、早朝セミナーを開催しており、できる限り出席している。
今月も教育関係のセミナーがあった。テーマは、「Violence in School」(学校内暴力)。出席者は、トロント教育委員会、各学校の校長、カウンセラーなど。自分も一応、トロント補習校という私立学校の代表として出席しているわけだが、実は素人。周りの人たちとは立場が大きく違うので、気の小さい自分(誰も信じない?)はいつも後ろの方(でも正面)で小さくなって聞いている。
深刻な暴力問題は、やはり高校のようで、盗み、性的暴行、武器(ナイフ、銃など)による攻撃、恐喝、ドラッグなどが近年、急増しているのだそうだ。学校や警察に届けられている件数以外に、報告しない件数も多く、事態はかなり悪いとのこと。学校側で何ができるのかという問題で面白い事例を知った。まずは、子どもたちの持ってくるバック。このバックの中は、まったくのプライベート空間で、教師といえども、手荷物検査と言って同意なく調べることはできないそうだ。
もう一つは、麻薬犬を使った抜き打ちの検査。確たる証拠や事実がない限り、個人の持ち物を検査する権利は、学校にも警察にもないとのことで、ある高校で抜き打ち無作為の麻薬犬検査を行い、結果、発覚した麻薬所持事実も、法廷で認められないことになったとのこと。麻薬を所持していた事実はあるのだから処分は当然と思うのだが、法律上はそうでもないらしい。やはり、法律事は専門家に相談しなくちゃと、再度、思い直したセミナーでした。
4月売日
またまた、セミナーです。でも今度は法律ではなく、ビジネス。今は、直接ビジネスに関わっているわけではないが、やはり興味があり、早朝(7時半から)のセミナー「Retail Outlook」に出かけた。場所は?なんとヨークデールモールにある映画館。こんな場所での講演会、初めて。でも、考えてみれば、プレゼンするには最適かも。スクリーンは大きく見やすいし、席はたっぷりあるし、音響も抜群。早朝であれば、映画の上映時間にかからないし、いいことずくめ。考えたね。
講演の内容というと、カナダの小売産業も大変な時期にあるようで、まず課題の最初に挙がったのが、ソーシャルレスポンスビリティ。なにそれ?と思うかもしれませんが、判りやすい例でいえば、最近特に言われることの一つに、環境にやさしい販売方法を心がけなさいということがあるらしい。欧州のTESCOという企業では、合言葉に「Every Little Help」を揚げ、どんな小さなことでもやってみようと働きかけているそうだ。最近、日本でもレジ袋の廃止や有料化で、エコバックが流行だそうだが、あなた持っていますか?
もうひとつ興味を持ったのが、シアーズカナダの社長の講演で、中国、インドが、かつて日本が辿った高度成長と同じ道を辿り、世界の主役になるというシナリオ。精神や体制を考えると日本と同じ?という部分にちょっと首をかしげるが、その勢いで世界の重要な位置を持つことは間違いないのだろう。などと、眠い目を擦りながら、聞いていました。でも、シアーズの社長、年齢は自分と同じ位らしいが、実はオーストラリア人で技術畑出身。分析が好きなようで、いろいろなデータを出して話を進めたせいか、予定の時間を1時間もオーバーしてしまった。彼の時給を考えると、1時間のオーバーって、いくらになるの?と要らぬことを思っていた。
5月情日
商工会の会員数は、約120社。駐在員の任期は5年平均くらいで、逐次、人は変わるが、それでも各会社の中にいろいろなノウハウが蓄積されている。ある会員さんから、ご質問を受け、会員企業さんで同じようなケースで処理されたことがないか聞いて欲しいとのこと。自分も以前の小さな会社で、いろいろな件で判らないことを、何処に聞けばいいのか困った経験があるので、状況はよくわかる。そんな時、商工会を頼りにしてもらえると非常に嬉しい。
今回の質問も、早々、同じようなケースのありそうな企業さんの人にメールで聞いてみたら、みなさん、ご丁寧に返信をくださった。もちろん、そうしたケースは無かったという場合もあったが、それはそれで、あたってくださっただけでもありがたい。今回は幸運にも、同じようなケースを扱った企業さんがあり、担当の方から詳細なメールを頂いた。早々、ご質問をいただいた企業さんにご案内した。
翌日にも、別の会員さんから、こんなことをやっている企業を探しているんだが、商工会会員企業さんの中で、関連する業界にいる企業さんから情報取ってくれませんかという電話。早々メール発信。こうしたサービスこそ、もしかしたら商工会の存在意義を高める活動かもと思った次第。みなさん、商工会を通じて、他の会員企業さんの持っているノウハウやネットワークをどんどん活用してみませんか。
5月講日
ある会員企業さんに関連するグループが、日本からカナダ視察に来るので、トロントで1時間講演をしてくれないかとの依頼を受けた。こうしたことも、商工活動の一貫だと思い、お引き受けした。講演内容は、カナダ、トロントの生活とその良い点、悪い点、困ったこと、カナダ人気質、休暇のすごし方、駐在員同士のつながりなどなど。なかなか面白いテーマ。
さて、誰に頼もうか?カナダでの生活期間がそれなりにあり、事情に通じていて、さらに駐在員の生活もわかり、人前で話すことに好きな人?幾人かの顔が頭に浮かぶ。早々、依頼のメールをして、「夕食付きですから」とお願いしてみたが、やはり皆さんお忙しく、なかなか決まらない。コーディネーターの方からは催促の電話(でも、決して強い調子ではありませんので)。引き受けてしまった手前、どうしても決まらなければ、自分がやるか。これでも、カナダ滞在16年、内、駐在員生活8年で、それなりに知っているつもり。問題は、小心者で人前で話すのが苦手(といっても絶対信じない人もいますが)なこと。おろおろ、どうしようという毎日です。
(その後、ある方がお引き受けくださることになりました。ホッとしております)
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