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カナダ医療体験談 その5
「咳止めの副作用で救急車騒動」 しかし一番予想外だった救急病院行きは、これは自分の体験ですが、風邪で処方してもらった咳止めを飲んで救急車を呼ぶ事態になったことでした。 昨年の冬、クリスマス休暇前で仕事の締め切りに追われ、また、忘年会やクリスマスパーティーも続くちょうど忙しい頃に風邪を引いて、それがかなり長引きました。「まあ、ただの風邪だし」と思って市販の薬とビタミンCなどを摂っているうちにだいぶ治ってきたのですが、ちょっと油断して長時間クリスマスショッピングに出かけたら、2日ぐらい経って咳痰がひどくなり熱を出してしまいました。 咳が夜中も止まらずつらいので、近所のウォークインクリニックで診てもらいました。咳止めと抗生物質を処方してくれて、「咳止めの薬はちょっと強めにしておきましたから、咳が治まったらもう飲まないでくださいね」と言われたので、では夜眠る前にだけ飲もうと昼間は咳込んでもがまんしていました。 その日は一日ゆっくり休むことにしましたが、ベッドから起き上がってトイレに行く途中に激しい咳が出て、その瞬間に胸の下の肋骨周辺に痛みが走りました。足を捻挫をしたときのような感じの痛みです。 それから咳をするとその部分が痛くてどうしようもなく、両手でしっかりと肋骨あたりと背中側を押さえながら咳をしなければならないような状態になってしまいました。ひどい咳で肋骨にひびが入ることもあるという話を聞いたことがありましたが、私は子供の頃からよく体を鍛えており、今も合気道を続けているのでそんなにデリケートな骨でもないだろうと、その日は再度クリニックや救急病院には行かず、とりあえず咳止めで咳を鎮めて寝続けることにしました。 さて、咳止めを飲んでしばらく寝ていると、楽になるどころか強い吐き気が襲ってきました。それに頭痛もしはじめました。もらった咳止めは“リン酸コデイン”錠で、「副作用は、吐き気がしたり便秘になる場合もある」と説明書きがあったため、薬のせいだなと少しは納得したのですが、そのうち吐き気も頭痛も更にひどくなり呼吸がしづらくなってきました。それに、咳止めといっても咳が全く出なくなるわけではないので、咳き込むと肋骨のあたりもかなり痛みます。ついに、苦しくてベッドにじっと寝ていられないし、起き上がると今度はめまいがするという悲惨な状態になってきたので、主人がとうとう救急車を呼びました。 到着したパラメディックス(救急隊)のドクターは、私の血圧をはかったり、心音を聞いたり、問診も済ませると、私が差し出したリン酸コデイン錠を見るなり、すばやく“嘔吐用バッグ”を取り出しました(苦しみながらも笑いそうになりました)。それは、口を当てるところが紙でできたジョウゴのようになっていて、透明のビニールに1000CCまでメモリが印刷された細長い袋。この中に吐いたりしてそれを見たらよけい気分が悪くなりそうだと思いましたが、使わずに済んだので記念に(?)とってあります。 とにかく救急隊が来てくれたので少し安心ですが、くれたのはビニールのバッグだけ。そしてイマージェンシールームへ連れて行かれました。今までの経験では、たとえ救急車で病院に到着してもそこが込んでいたら、大量出血、心臓発作、意識不明・・・などの患者以外は本当に3〜5時間待たされます。待合室にいる間に悪化したりショック症状にでもなったら怖いと思い、すべて事情を伝えたうえで、症状はたいへん大げさに表現しました。「息ができない・・・それに、吐きそうで眩暈がして頭が割れそうに痛くて、咳がでるとあばら骨のところが痛くて死にそう」と情けない声で。 そのかいあってか、呼吸困難のポイントが高かった(?)のか、すぐにドクターに診てもらうことができました。血圧をはかったりした後、ベッドに寝かされて酸素マスクをあてがわれると、呼吸と頭痛が楽になりました。 やはり呼吸困難は、咳止めの副作用のひどいものでした。肋骨辺りの痛みはX線検査をしてもヒビや骨折はないので、咳で筋を違えたのだろうということでしたが、肺炎にもかかっていました。結局、呼吸のほうが元にもどると、「今晩は咳止めはもう飲まないで抗生物質だけにしてください。肋骨のあたりが痛かったらタイロナール(痛み止め)を飲んで、それから、まだ気持ち悪かったらジンジャーエールを少しだけ飲んで寝なさい」と言われただけでした。 後で、その強すぎた咳止薬の表示をよく見てみると「リン酸コデイン 一錠30mg」でした。一日3錠までと書いてありましたが、調べてみると日本の市販の咳止めだとリン酸コデイン 5mgを1錠が使用量。カナダの処方薬でも、一錠10mgや15mgのものもあります。日本では一日最大量60mgとなっていました(私がもらったのを1日3錠飲んだら90mgではないですか・・・)。 カナダやアメリカの薬は強すぎるとよく言われますが、本当にマイリました。 処方箋にも使用方法や効果、副作用の注意書きが付いてきますが、一般向けのプスクリプション ガイドの本を買って、薬の基本情報はすぐ調べられるようにしておく必要があると思いました。日本でも、家庭向けの本で『ピルブック 薬の事典 2008年版』、『医者からもらった薬がわかる本 2008年版』などが出ています。家庭の医学書と共に、一家に一冊用意しておくのもよい思います。しろうと判断は危険といっても、ある程度知識があれば用心できますし、現地の医者に質問もしやすくなります。 トロントではファミリードクター登録だけではなく、いざとなったらすぐに行ける一番近いウォークインクリニックや救急病院の場所を確認しておくのは大切ですね。また、皆さんもうご存知かと思いますが、オンタリオ州住民であれば、テレヘルス・オンタリオに電話すると、24時間、無料で応急処置や心身症状についての質問に答えてくれます。看護婦が対応、また、日本語通訳も頼めるそうです。Tel. 1-866-797-0000 www.gov.on.ca
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