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リレー随筆
自然を歩く 長田 恵江 (CIBC) 私は森の中や野原を歩きながら自然を楽しむのが大好きで、週末になるといつも決まって、トロント郊外のハイキング・コースや市内の自然公園にでかける。 大抵の場合、夫と共に、バスハイクやネイチャー・ウォークのグループに参加するのだが、多くの目で野鳥を見つけたり、野生の花の名前を教え合ったりして、グループならではのメリットも多い。 また、歩いた後に、気のおけない仲間と一緒に立ち寄るパブやコーヒーショップでのおしゃべりも楽しみのひとつで、ほっとしたくつろぎのひとときでもある。 トロントは都会ながら自然にはとても恵まれていて、すぐ近くにはナイアガラからトバモリー(ブルース半島の先端)まで続く、ナイアガラ・エスカープメント (断崖)に沿って、ブルース・トレイルという格好のハイキング・コースがある。 このブルース・トレイルは845kmのメイン・トレイルと430kmのサイド・トレイルからなり、ユネスコの生物圏保護区にも指定されているほどの素晴らしい自然環境の中を、我々一般人が自由に歩けるのである。 ここには大小多数の滝があり、また、野生ランも自生している。 トレイルの両側には、春から秋まで、カラフルな野生の花々が咲き乱れ、私達ハイカーを癒してくれる。 ボランティアの方々のお陰で、トレイルは常に整備されており、またハイキング・クラブのバスハイクでは、経験豊かなリーダー(ガイド)なる方々が連れていってくださるし、トレイルには木々にブレーズ(目印)が塗られているので、迷う心配はない(ちなみに同僚のひとりは、このトレイルを整備するボランティアを時々やってくれている)。 バスハイクはトロント市内の3箇所のいづれかから朝スタートし、夕方6時頃戻ってくる。 30分ほどのランチとハイキング後のリフレッシュメントの時間、バスでの移動を除いては、ほとんど歩いている。 おおよそ15キロ前後を歩くことが多いが、私の場合、20キロ近くになるとさすがに疲れ、帰りのバスの中ではぐっすり眠ってしまう。 勿論バスハイクやカーハイクは年中たくさんでているので、歩くスピードや距離はクラブ会報のスケジュールの中から自分で選べる。 このトレイルを歩くハイカー達はさすがにマナーが良く、ごみひとつ見当たらないので、美しい森の中を快適に歩くことができる。 また、日帰りで気軽に自然を満喫できるのも魅力である。 また、トロントの東端には、ルージュ・パークという北米最大のアーバン・パークがあり、この点でもトロントニアンは恵まれている。 この自然公園はマーカムの北からオンタリオ湖岸まで、広さは11, 500エーカー(46km2)にも及ぶ。 ここにもトレイルがいくつもあり、組み合わせれば、一日じゅうハイキングができる。 平坦な地形のトロントで、このルージュは異色である。 二本の谷川のお陰で、特に秋の紅葉時は目を見張る景色となる。 私はここで、鹿の家族やキツツキの中で最大級のパイリエーテッド・ウッドペッカー (カンムリキツツキ)を何度か目にした。 その他のさまざまな野鳥や野生植物も数多く観察できる。 ここには、月に1−2回行って、グループでネイチャー・ウォークをする。 トロントのダウンタウン近隣でも自然はたくさん観察できる。 まず、バード・ウォッチングに最適なのが、トロント島の東に位置する、レスリー・ストリート・スピットと呼ばれる、長さ5キロの人工の半島がある。 この半島は40年前に当初はトロント島の防波堤として埋め立てが始まったのだが、車の乗り入れ禁止や計画的な潟湖の配置などのお陰で、今ではオンタリオでも有数の野鳥の繁殖地にもなっている。 さらには春や秋の渡り鳥の移動の時期は、野鳥たちがここで羽を休めるので、300種以上の野鳥が観察できるそうだ。 また、その他の野生動物(狐やコヨーテ、ビーバー、大小のカメなど)やさまざまな野生植物もここで見ることができる。 私はここで、全身真っ白なスノーウィー・アウル(シロフクロウ)やダイサギ、アオサギ、またコヨーテを何度か見た。 冬には様々な種類の水鳥たちを観察できるし、ダウンタウンからそう遠くない「スピット」は実に驚きの半島である。 また、トロント中心部には、ムーアパーク・ローズデール・フォーレストヒルなど閑静な住宅街を抜けるラビーン(峡谷)に沿って、「ベルトライン」と言われるトレイルがあり、格好なウォーキングコースとなっている。 ここは1890年代に建設された鉄道をトレイルに変えたものだ。 そして、ヤングとローレンスからビクトリア・パークまで、小川(テイラー・クリーク)に沿って片道15キロのトレイルを野辺の花を見ながら歩き続けることもできる。 トロント市北部のノースヨークにも数多くのトレイルがある。 まずあげられるのが、レスリー通りの西に位置する、イースト・ドン・パークランド。 ここは真冬に歩くと一面銀世界でうっとりするほど綺麗だ。 またバサースト通りの西にはウエスト・ドン・パークランドがある。 私はここでも例の大きなカンムリキツツキがドラミングしているのを冬に目撃したことがある。 ここから続く、G・ロス・ロード・パークは実に広大な公園である。 ハイキングにせよ、バード・ウォッチングやネイチャー・ウォークにせよ、それらの自然をトロント近辺で気軽に楽しめる事を先人達や数多くのボランティアの方々に感謝しながら、また次の週末も歩こうと思う。 |