広報委員のひとりごと



「へえ〜」と思いながら読む『とりりあむ』




広報委員
三藤あゆみ(フリーランスライター)

先日、幾度か一緒に仕事をしたことのある日本の某テレビ局専属の製作会社から連絡があった際に、プロデューサーが「三藤さんはトロント商工会の『とりりあむ』っていうのにも記事を書いているんですね」と言いました。

「商工会会報は、ずいぶん長くお手伝してるんです。何かおもしろいと思う内容ありました?」と訊ねてみると、「けっこうおもしろいよ。トロントに住んでたり興味のある人には、現地情報という感じでいい読み物。ちょっとこう、デザインが素人っぽいけど・・・」とのことでした。その人はたいへん正直な人なので(企画探しをするプロデューサーはお世辞をいってたら仕事にならない)、きっと本当に「けっこうおもしろい」のだと思います。

私がトロント商工会 会報の校正・編集をはじめたのは、たしか90年代半ばぐらいだったと思いますが(・・・いつ始めたか思い出せない)、その頃は紙に印刷した8ページ綴りのニュースレターで、一通ずつ封筒に入れて商工会会員の皆さん宛てに郵送していました。商工会のウェブサイトがまだなかったので、事務局や会員企業からのお知らせ、異動、新会員紹介、イベント案内なども掲載し、毎月の表紙を飾るインタビュー記事などもありました。

会報づくりに、事務局も私も今よりだいぶ時間を割いていましたが、社内報やお知らせの類の出版物というのもあって、かつては、丁寧で正確、わかりやすい記事集め、失礼のない内容・・・という編集方針でした。なので、中には興味深い記事もありましたが、比較的保守的で、読者を「へえ〜」といわせるような記事や、笑わせる内容は、あまりありませんでした。

ところが、最近『とりりあむ』の編集作業をしていると、「へえ〜なるほどね」と思ったり、ひとりニヤニヤしてしまったり、「今度私もぜひここへ行ってみよう」と心にとめながら読んでいることが多い自分に気づきました。

オンラインの会報になって変わったのは、媒体や作業プロセスだけではない。内容もずいぶん読みでのあるものになったと思います(特にここ数年)。記事や編集方針がずいぶんカジュアルになったぶん、わりと自由な発想や言葉遣いで、おもしろい記事や役立つ内容が増えたのではないでしょうか。

私はフリーライター/ジャーナリストの仕事をして、20年ぐらいになります。日本とカナダ、ときにはイギリスやアメリカの、いろいろな媒体に文章を書いたり、記事のためのリサーチ、時には翻訳をしたりします。

メディア向けの様々な文章に触れると、インスパイヤーされる、勉強になる内容や表現力のある文章に出会い、「あ、私もこんなふうに書きたい」、「これはおもしろいコメントだな」と思うこともあれば、自分の書いたものと比べてみて反省させられることもよくあります。

このごろ『とりりあむ』の記事で、そう思わされることも多くなりました。そして、記事に目を通し編集する作業がずいぶん楽しくなりました。

≪著者プロフィール≫
三藤あゆみ
フリーランスライター/翻訳家。日本の高校卒業後イギリスへ渡り、後にトロントに移住。トロント大学卒(心理学、東アジア学専攻)。埼玉県生まれ。

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