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HELP!体験記 「飛行機のトラブル」
在トロント日本総領事館 川原 聡
トロント総領事館の川原です。7月末に笹尾領事の後任として赴任しました。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、冬のトラブルということで今回私がお話しさせていただくテーマは、「飛行機に関するトラブル」です。吹雪による欠航に巻き込まれた方も多いのではないでしょうか。中には私よりも多く飛行機を利用されている方も多々いらっしゃるとは思いますが、利用回数の割には比較的トラブルに巻き込まれている私です。 ●突然の欠航 私は日本からトロントへ赴任する際、シカゴを経由しました。7月28日、日本からの便を降り、別のターミナルに移動。乗り継ぎ便搭乗口の前で、しばし休憩とばかりに休息しているのも束の間、カウンターの職員が機材故障による出発遅延をアナウンスし始めました。利用客はそこそこいたため変な勘ぐりはしませんでしたが、それから待たされること2時間。 機内で眠れなかったこともあり、いつの間にかうとうとしていた私。気づくと周りに誰もいません。欠航を知った乗客達はすでに別のカウンターで手続きを取っていたのでした。カウンターで話を聞くと、私はすでに翌早朝の便にブックされていました。トロントでは笹尾氏が待っていたこともあり、連絡。相談の上結果的にこのブッキングを受け入れましたが、「何を勝手に翌日に…」というのが本音でした。 なお、当日のホテルは航空会社が留保し、宿泊代に加え15ドル分のレストランのバウチャーも航空会社の負担でした。疲れていた私はバウチャーを頼りにルームサービスを頼みましたが、空腹で量を考えず大量に注文し、チップやら税金やらで結局35ドルも支払い、なんともペースを乱された1日でした。 ●なぜ?オーバーブッキング 欠航はある程度やむを得ないとしましょう。しかし、どうも理解できないのがオーバーブッキングです。夏期休暇で訪れた米国のある空港で、自分の搭乗する便に対しボランティア(自主的搭乗回避)を募集するアナウンスが流れたのです。 内容は、数時間後の同じ路線にてファーストクラスを用意するというものでした。朝も暗いうちから起床し、毎度の煩雑な搭乗手続きを経てようやく到着した末にこのアナウンス…。その便を逃すと次の目的地への訪問が台無しになるため少し焦りましたが、あるご夫妻がボランティアに名乗り出てくれたおかげで事なきを得たのです。 これも規模が巨大故、システム上仕方のないことなのかもしれませんが…。いつ欠航がおこるか分からないと考えるとどうしても自ら名乗り出る気にはなれません。 ●乗り換えのトラブル「ロストバゲッジ」
国際線を利用して他の便に乗り継ぐ場合、荷物のピックアップが必要なケースがありますが、私は出張で経由したロンドン・ヒースロー空港とNY・JFK空港で計2度、ロストバゲッジを経験しました。ヒースローでは、日本からの便が50分遅れ、次の便への乗り継ぎ時間が40分となり、トランクが間に合わないかもと不安に思いつつも自分は乗り継ぎ便に駆け込み、案の定トランクは届きませんでした。ホテルからつたない英語で必死に問い合わせ、便が多い路線でもあったことからその日のうちに到着しました。 しかし、JFKでは多少事情が違いました。バゲージクレームでピックアップし、ターミナルの通路に出るまでの間に荷物預け入れポイントが出現、一人だけ立っていた男性が「ここで預けていけ」と主張。実はこれは旅行代理店から指示された場所と違ったのですが、自信満々のこの男性の助言を私と同僚の3人は信用し、そこで預け次の便に乗りました。しかし、我々3人と私の荷物、同僚2人の荷物は目的地とは異なる3つの国へと旅立ったのです。 トランクが到着したのは2人が翌日、もう1人は翌々日のことでした。長旅のためスーツをトランクに入れていた我々は目的地でスーツを着ることができず、どうしても必要だったため3人で町をさまよい、なんとかYシャツを買い、ジャケットは借りて事なきを得ました。 ●突然の行き先変更 これはインドでの事ですが、搭乗率が低かったのか、成田行きの飛行機が突然バンコク経由の1ストップ便に変更になったことがありました。 日本で重要な用務があった幹部がこのあおりを受け、その後便を何度も変更した挙げ句、利用便が遅れその幹部が空港で立ち往生するなど、相当あわてたことを覚えています。 北米の航空会社でも似たような事例を聞いたことがありますが、日本人には理解しがたいのではないでしょうか。この現地某航空会社、この前日には鳥が「接触した」(エンジンへの巻き込みでなく)という理由で欠航し、現地の新聞にも載りました。あなどれません。 ●飛行機に対する私の考え方・備え 1)欠航は仕方なし 欠航を機に、空港で出発情報を眺めてみると、想像以上に欠航は多いことが分かります。機材故障、機材繰り、理由はいろいろで、確率にすると微々たるものかもしれません。それでも欠航が日常的であることは空港職員の実に淡々とした対応が表しています。そして我々はそれに対し為す術がありません。文句を言っても互いに不機嫌になるだけです。 この夏は普段にまして雷雨が多かったとのことですが、雷雨による欠航や遅延に巻き込まれたという方が私の周りにもいらっしゃいました。重要な会議を前に欠航などに遭遇すると、ついあり得ないと思ってしまいますが、国土が巨大な北米では列車やバスが必ずしも便利でないことを考えると、ビジネスシーンにおける飛行機への依存は避けられないところであり、欠航は仕方がないと認識し、とにかくあわてず冷静に対処することが重要なのでしょう。 2)事前の確認 ピアソン空港はよく利用しますが、日本からの便は1時間早着することもざらで、GTAサイトでの発着情報確認は欠かせません。また、万全を期して事前に予約の電話確認をする場合もあります(国によっては必須)。 そんな中、一部の航空会社で予約客に運航便のキャンセル・遅延情報をメールで伝えるサービスが始まるそうです。悪天候などで運休になった場合、代替便情報も提供し予約変更をパソコン、携帯情報端末で受け付けるとの事です。これから厳しい冬を迎え、気象条件がいっそう航空会社を悩ませるのかもしれませんが、このようなサービスは利用客としてもありがたいのではないでしょうか。他の航空会社にもこのようなサービスが広まっていくとうれしいですね。 3)乗り継ぎにおける荷物預け入れポイント 私は赴任でシカゴ・オヘアを使用するにあたり、トランクの預け入れポイントを事前に教示されてましたが、これが実際わかりにくく、荷物も多くて迷っているところを日本人スタッフの方が親切にポイントまで連れて行ってくれました。ただ、たどり着くと、そこはとても一般の乗客が預け入れポイントとは認識できそうにない場所。そこに黙々と荷物を捌く職員が二人。 シカゴ・オヘアのロストバゲッジは有名であることを聞かされていたことから、3度目のロストが頭をよぎりましたが、そこのスタッフにしっかり確認、指示をしてくれたこともあり、荷物は無事届きました。こういったことからも、初めての空港(特に巨大なハブ空港)ではバゲージクレームの近くで日本人スタッフに確認をするようにしています。 4)ESTA(電子渡航認証システム)は試行段階 直前の入国審査では、私のパスポートをしばし眺め、他の管理官と何やら相談していたので、戻ってきた時にESTAの事を話しましたが反応が薄い。そのスタッフの方によると、先般米国が導入したESTAについて残念ながらすべての入国管理官が正確に把握しているわけではないそうで、あくまで試行段階であるとの現状を教えてくれました。入国審査ではとにかく管理官の質問に正確に答えるということでしょうか。 5)米国では25セントコインが便利 欠航等のトラブルに遭遇すると、携帯をお持ちであれば問題はないでしょうが、万が一持っていなければ、どこかで電話をする必要もでてきます。私はシカゴオヘアで電話を架けたくてもコインがなく、わざわざ水を買い、そのおつりで電話をかけました。 また、空港近辺のホテルなど一部では送迎が無料であっても、まずはフロントに電話をかける必要がある場合もあります。公共交通機関でもコインは重宝します。米国ではダウンタウンと空港間で一般の路線バスや地下鉄が運行されている場合が多く、結構な距離でも僅か1.25ドルで利用できるところもあります(シアトルやヒューストン等)。ほとんどの空港で両替機はなく、お札では対応できないと乗車を断られたことがあります。米国への訪問が複数回に及ぶ場合は、次回のためにクォーターコインを数枚残しておくと良いと思います。 HELP体験記とうことでトラブルばかり書きましたが、飛行機は実際我々に欠かせぬものです。利用の仕方ひとつで便利にもなれば、経済的にもなりますし、うまくつきあっていきたいものですね。
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